家計
近所で知り合った子育て中の人と仲良くなって、子ども達を遊ばせたりしています。
主に公園で遊ばせていて、たまに、その人のお宅で遊ばせてもらっていますが……
妻は自宅には呼べません。
姑と同居だからです。
姑は友達を呼んで楽しいひと時を過ごしても、嫁である妻には「姑の目」が気になって呼べないのです。
自宅からは実家への電話も出来ず、友達への電話も出来ません。
常に「姑の目」が気になるのです。
近所で知り合って子どもを遊ばせている人は、その点を大変理解してくれて「気にしないで! うちに来てよ。」と、言ってくれています。
ある日、その人が言ったのです。
「ねぇ、私、家計簿をつけているんだけど…
下手みたいなの。家計が……。」
「えっ? どうして、そう思うの?」
「主人から毎月10万円貰ってるのよね。食費として……
それが足りないの。足りない月があるのよ。
家族4人なのに……。
私、下手なのね。きっと……。 やりくりが……。」
「10万円。」
「うん。」
「4人だったら、足りないのかもね。
ご主人様、沢山食べられるんでしょう。」
「そうなのよ。大食漢なの!」
「きっと、ご主人様が原因よ。」
「そう……そうかもね。」
⦅いいなぁ、食費だけで10万円。
4人家族で……。
うちは5人で、全て込みで5万円。
もう足りないのは当たり前じゃん!⦆
子どもを遊ばせて帰宅して、妻は、今夜、再度夫に訴えようと思ったのです。
その前に姑とひと悶着が………ありました……というよりも…起こされましたが正解かもしれません。
姑からは「私、お肉が苦手なのよ。出来たら食べたくないから、入れないでね。」と、結婚前に言われていました。
その通りに、姑の前におかずを入れたお皿にはお肉を少し夫よりも少なく入れていました。
それが、姑の気持ちを逆なでだようでした。
姑は食事中に席を立ち、何も言わずに自室に入ってしまったのです。
妻は心臓が急に鼓動を打ち始めたのを感じました。
⦅何? 何が駄目だったの?⦆
分からないので、席を外して姑の部屋へ行きました。
「お義母さん、どうされました?」
「………。」
「すみません。入ります。」
「貴女ねぇ、どうして私にだけお肉が少ないの!」
『えっ? それは、お義母さんが…お肉を少なくって……。』
「すみません。少なかったですか?」
「少ないわよ。幾ら私が年寄りっていってもお肉を食べないといけないのよ。
分かってるの!」
「すみません。お肉を沢山入れます。」
「貴女ねぇ、沢山ではないのよ。普通に入れるの! 分かる? 普通よ。」
『あぁ~~、疲れた……。』
「分かりました。普通に入れますので、ご飯、食べられますか?」
「食べるわよ。当たり前でしょう!」
食事の最中のことでも、姑は食事の席では言いません。
夫の前では全く何も言ったことが無いのです。
言うのは、夫が居ない場所です。必ず………。
何とか、食事を姑に摂って貰い、子どもに食べさせて、やっと自分が食べられる時間になりました。
大急ぎで食事を摂り、食事の後片付けをしました。
入浴は、一番湯は姑が入り、その次は夫が入ると決まっているのです。
最後が子ども達と妻でした。
妻は思いました。
⦅この家は明治? 今は昭和60年なのに……。⦆
疲れ果てている妻を夫は身体を求めてきます。
それを最近は跳ね除けているのです。
理由……嫌だからです。
妻の理由は、嫌だからなのです。
離婚していないだけの夫婦だと妻は思っています。
そして、肝心のお金の話は出来ませんでした。