縁を切る
友達に裏切られた。
そうではないか
友達だとは彼女からは思われていなかった。
むしろ、私のこと嫌いだって
私の心の半分は悲しみと悔しさと怒りが混じりあい
嗚咽が出る、涙が勝手に出るのに
反面どこかで私は冷めており
残りの半分は悲しみも悔しさも怒りも感じていない。
大人になってからそんな泣かなかったな、とか
一人でいてもまだ人目を気にして大声で泣けなくて情けないな、とか
まるで他人事みたいに
考えてもいた。
どれだけ悲しんでいただろうか、涙も出尽くした頃
時計を確認すると針は23時を指そうとしていた
(シャワー浴びて入らなきゃ。
明日は6時起きだ。目覚ましセットし直さないと
明日の用意もまだしてない。
すぐにシャワーして寝なきゃ
嫌だな明日行きたくないな。
顔酷いんだろうな)
かなしいけれど頭の中は冷静で
(お風呂入ろ)
(化粧落とさなきゃ)
とか考えちゃう。
(いっそ泣き疲れて眠ってしまえれば楽なのに。
私は今日何回泣いただろう?
泣いて泣いて泣いて泣いて バカみたい。
本当にバカだね、私。)
「あ~~~~もう!だんだんイライラしてきた。」
(くやしいくやしいくやしいくやしい
悲しい気持ちより悔しい気持ちの方が強い 。
なんでこうなったのかわからないけど)
「 私が何かしたか? こんな仕打ちを受けるほど悪いことをしたか? ……」
―――
ジリリリーーーと目覚まし時計がなり
素早く手を伸ばす。
わりかし壁は厚いとは思う。
大丈夫だと思うけど。
瞼を何度か開くと少し目が覚める 。
泣きつかれたのかいつの間にか寝ていたらしい
外はまだ暗い。
行きたくないなぁ
でも行かないわけにはいかないから
支度を始める
顔を洗い
化粧をして
身だしなみを整える
いつも通りの朝のルーティン
でも今日はいつもより億劫だ
昨日のことが頭から離れない
やめようとは思うがやめれない
考えててもどうしようもないことだ
しょうがない
切り替えないと
玄関を開けて外に出ると
太陽の光が降り注ぐ
今日は晴れか
そういえば頭ここにあらずで天気予報聞いていなかった
切り替えろ切り替えろ
晴れてはいるが、薄暗い雲が遠くに見える
あーもういいや傘はとりあえず
雨降んないでしょ晴れてるし
自転車置き場の前を通るとこれから通学だろうか
学生服を着た子が自転車を押していた。
その子の自転車は赤色で。
そういえば彼女も最近赤色の可愛い自転車を買ったとか
言っていた。昨日の事を思い出してモヤモヤしてイライラしてしまう。
そんなことを考えながら
歩いて駅に向かう
電車に乗ってる間
久しぶりにスマホを操作することなく
周りの風景を見ていた
電車内は座れないほどの混雑ではなかったが 立っていることにした
皆こうしてみるとスマホを手に持ち顔を下げている
ガタンゴトンと揺れる。
いつも通りガタンゴトンと
降車駅に着き、会社まで歩く
自転車スイスイ行くなー
若い人、結構高齢の人もいるんだな
どうやら交通取締りもあったようで
警察官もいた。
会社につくと出勤前の用意を始める
同僚はまだきていないみたいだ
少しほっとした。
準備を取り掛かりいつの間にか時間は過ぎ去ったようで
気づいた時にはお昼の時間だった。
今日は人と関わる気分じゃないし
さっさとお昼行こう
家から持ってきた食べ物を会社の倉庫で食べる
ここはほとんど人が来ない
今日使う人はいないと思いたい
バレないでほしい
今怒られるのは精神的にキツイや
ひたすら集中するようにつとめた
何度か確認をし、うんこれで、
これで間違ってたらそれはそれで
しょうがない
時計を見ると定時の5分前
間に合ったーーー
疲れた疲れたよ
会社を出ると
そのまま駅に向かい
電車に乗る
頑張って後少し
眠気から襲われ
瞼が重たい
降車駅の名前が流れ
習性で足を動かす
一歩さらに一歩
部屋の前まで
鍵を開き
中に入り
鍵をしめる
ドキドキした
電気をつける
洗面台まで行き手を洗う
お風呂場を覗くと
湯船の中に友達はいた
いや友達じゃなかった
彼女にとって友達じゃないように
もはや、私にとっても友達じゃない
ただ邪魔なだけだ、、
そう、彼女の死体はまだいた
切るのは骨が折れた
頑張っては見たが
家にあった包丁では上手くいかなかった
おかげで見るも無惨な彼女の死体に退化してしまった
今日は会社の倉庫に置いてあった
ノコギリを持って帰ってきた
これでやってみよう
そういや着てた服も処分しなきゃね
ポケットて使う人だっけ?
一応確認だけしとこうか
ポケットの中を弄ると
何かが下にチャリンと落っこちる
あれ?どこいった?
んーーーー?
「あっあった!
あっこれ自転車の鍵だよね、ここにあったのか、探してたんだ、よかった
これも処分しなきゃ。ね。」