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あおの日  作者: 八木 深碧
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歴史ヲタクと英雄たち

どこにでもいる、何の変哲もない小娘だと自覚している。


両親に大切に育てられて、可愛い弟にも恵まれた、すこし世間知らずのただの娘。


そんな私を形取る物は歴史が好きという事だと思う。

それだけは、胸を張って好きだと言える自信がある。


その事実だけで今まで私は生きてきた。

だから、この現状はきっと、きっと何かの事故のようなものなのかもしれない。


けれど、この事故も起こってしまった事実なのだ。


ならば、私は神様からの贈り物だと思って、彼らと共に生きようと思う。

当たり障りのない日々

平和な日常に幸せを感じつつも、激動の時代を駆け抜け生きた英雄に憧れ。恋焦がれ。

私という、山野(やまの)藍奈(あいな)を作り上げる1つになった。


というと、聞こえがいいがタダのヲタクに過ぎない。


私ば本当にただ『歴史』という物にこがれているのだ。

何年前から受け継がれているのか定かでは無い伝承や、逸話の数々が残る尊い方。

幼い頃、両親から添い遂げた人までもが歴史として名を残す隊士。

名のない将軍に使え、生涯を共にすごした刀。


ただの物かもしれない、ただの何も価値もないのかもしれない。


でも、私はそれに言いようのない感動を覚えてしまった。


だって、何年も何百年も、何千年も前に生きていた人。時代も価値観も違う。

けれど、その人が紡いだ物が、守りたかったものが形を変えて今を生きる私たちの元へ受け継がれている。


その事実は尊く、素晴らしいものだ。


歴史に名を刻むことは簡単ではない、平穏に、平和に過ごしていたならば

歴史という長い長い時の渦に飲まれ、忘れられてしまい、今を生きる私の元には決してその名が届くことは無いのだと私は思ってしまう。


激動に生きたから、尊き血を受け継いだから、平和を望んで刃を振るったから、ただ家族のために刃を振るった者。

国のために捨てろと言われた命の数々、名が付けられる程の大震災。


何ひとつとして同じものはなく、誰もが一生懸命に生きていた。


私はきっと歴史に名を刻むことは出来ないと思う。

だからこそ、私は、歴史に恋焦がれているのかもしれない。


それでいい。恋焦がれて、一方的に追いかける。

それで良かったはずだった。


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