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<92>

 恐竜絶滅のような人類の絶滅を未然に防ぐ新ベクター治療ワクチン"#$%&#の成果に、やはり世界は目を閉ざしていた訳ではなかった。メディアの記者が頻繁に研究所へ出入りするようになったのは、それから半月後である。我が国で広がり始めた極悪変異ウイルスによる死者の数も皆無となり、ひとまず政府は戒厳令を解除した。全国民の外出の自由が回復したということになる。政府の監視下に置かれ、研究所で缶詰状態だった蛸山と海老尾も自宅通勤が許されるようになっていた。

「所長、エントランスが急に騒がしくなりましたね…」

「ああ、何かあったのかい?」

 ノーベル賞かも知れんぞ…と薄々、分かっていた蛸山だったが、知らぬ(てい)で海老尾に返した。

「所長! ひょっとするとノーベル賞の候補にっ!」

「んっ!? ははは…それはないだろ、海老尾君」

「いや、分かりませんよ。そろそろ時期ですし…」

 海老尾はノーベル賞の発表時期が近づいていることを、暗に言った。

「そうかねぇ…」

 そうに違いないっ! と確信していた蛸山は知らない態で(ぼか)した。

「その可能性は高いです。他にコレといったことも起きてませんし…」

「ああ、そういや、そうだね…」

「所長! おめでとうございますっ!」

「ははは…まだ、何も知らせは入っていないよ、海老尾君」

 蛸山は、まんざらでもない気分で笑った。

「いや、そのうちニュースになるか電話が入りますって!」

「いやいやいや、それはないだろ…」

 蛸山は、そうだね…と思ったが、真逆の言葉を海老尾に返した。

「僕の考え過ぎですかね…」

「ああ、そうだよ…」

 蛸山は、また(ぼか)した。


                  続

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