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<91>

 蛸山と海老尾の研究者コンビは、(そば)から他人が聞けば、(あたか)も超有名漫才師にも似て面白いのだが、二人はそのことに全く気づいていなかった。

 ひと月後である。新ベクター"#$%&#ワクチンの配布後の効果は絶大で、瞬く間に世界の死亡者は激減していった。蛸山と海老尾の開発コンビ[二人だからチームではない^^]によるワクチン開発者としての名声は全国各地、いや世界各地に広がった。となれば、蛸山所長が密かに期待するノーベル賞の呼び声である。^^ ところが、蛸山が待てど暮らせど、いっこうに呼び声はかからなかった。

「死者が激減しているようじゃないか…」

「はい、結構なことです…」

 整理ファイルの入力に余念のない海老尾へ、珍しく蛸山の方から声をかけた。パソコンのファイル入力に集中する海老尾にとって、蛸山の声は雑音である。

「ははは…私達の名も世界に知れ渡ってきたようだ…」

「えっ!? あっ! はいっ! そのようですね…」

 海老尾の()れない返しに、蛸山は、それを言うなら、いよいよノーベル賞ですねっ、だろっ! …と少し怒り気味に思った。

「知れ渡ると、やはり私達を放ってはおけないだろうな…」

「そんなことはないんじゃないですか。誰が開発したなんて、すぐ忘られちまいますよっ!」

「そんなものかねぇ~」

 蛸山は、そういう言い方はないんじゃないかっ! と、強めに思った。

「ええ、世間てぇ~のは、そんなもんです。有難がられるのも、ほんの一時(いっとき)です!」

 海老尾は断言した。

「いやいや、そうでもないんじゃないか…」

「所長は忘られたくないんですね?」

「んっ!? いや、そういうことでもないんだが…」

 蛸山は受賞したい気分の真逆言葉で返した。

「まあ、ノーベル賞の呼び声は、そろそろかかるんでしょうが…」

「だなっ!」

 蛸山は、それを先に言えっ! と、怒りながら笑った。


                  続

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