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 老ウイルスにはリーダー格に相当する数個のウイルスが存在した。軍隊だと、さしずめ、方面軍司令官のようにウイルスである。そのウイルスの配下には、ウジャウジャとウイルスがいる訳だが、極悪ウイルスを探っているのは、ごく限られた数の諜報ウイルス[ガンマ・レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、単純・ヘルペスウイルス]達だった。極悪ウイルスのアジトに潜入するには、潜入するバレない特別訓練を受ける必要がある。それを行っているのが、マクロ[巨視的]世界に住む海老尾のベクター研究者達だった。そのことを海老尾達は知らない。

「その偉~~いお方に僕は頼るしかないんだ。よろしく頼むよ、レンちゃん!」

『分かりました。…君でいいですよ』

「あっ! ああ…」

 海老尾とレンちゃんは夢の中でその後、別れた。その後、海老尾は深い眠りへと落ちていった。

 海老尾が目覚めた次の日の朝である。いつもなら通勤のための動きをするのだが、戒厳令下、誰一人として外へ出られない朝だから、ボケェ~とテレビを見ている他はない。

『世界の死者数は現在も増え続け、昨日現在、数十万人に達しています。我が国も戒厳令下にもかかわらず、早くも数百人の死者が出ている模様です』

 アナウンサーがテレビの中でガナっている。

「数百人って、よく調べられたな…」

 海老尾は妙なところで感心しながら、冷蔵庫へと直行した。外へ一歩も出られないとなれば、食糧の消費が問題となる。

「まあ、これだけあれば、十日は大丈夫か…」

 海老尾は安堵(あんど)のため息を漏らした。幸いにも、キッチンの冷蔵庫内とフロア下の収納扉の中には当分暮らせる非常食が入っていた。どういう訳か今朝は無性に腹がすく…と海老尾は思うでなく思った。テレビ画面も気になるが、空腹感はさらに気になる。気になりかければ、さらに空腹感に(さいな)まれる。人間の弱いところだな…と海老尾は確信的に思った。


                  続

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