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<73>

 さて、これからどうするか…? と海老尾は考えた。しかし、考えれば考えるほど自分に出来ることは何もないと思い知らされる。無力なのは事実だから、口惜しいが仕方がない。岸多総理にはその力量があるが、所長の蛸山や自分には研究で結果を出す以外には大した力量はないのである。

 蛸山と海老尾が三日三晩、徹夜の結果、完成させたモレアの改良薬モレヌ・フィッシュ、通称名モレフは第一相・治験[臨床薬理試験]のみで一発承認された。患者の増加を何がなんでも食い止めねばならない岸多首相の号令一下、一発承認されたその背景には罹患者=死者という図式があったからだ。

 その夜、海老尾は蛸山にまた電話した。少し気分が落ち着いてきたこともある。

『蟹岡君に電話したら、すぐにでも長官にお伝えします・・ってことだったからね』

「昼のニュースでは承認されたということでしたが…」

『バタバタと倒れて出る死者の山は国としても困るだろ?』

「はあ、そりゃ誰だって困ります。で、罹患(りかん)状況はどうなんです?」

『全国各地で少しづつ出始めているようだ。発生10Km圏を消毒しているらしい』

「そうするしか今は手段がないですよね」

『ああ…』

「そうすると、戒厳令下ですから当分の間、自宅待機ですか?」

『ホームワークで出来ることはあるが、研究室に入れない以上、私達にやれることは限られるからね』

「ええ、確かにそうなります…」

 会話がお通夜になってきたので海老尾は、前触れもなく携帯を切った。


                  続

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