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 ここは、極悪ウイルスのアジトである。

『フフフ…人間達よ、賭殺される動物の身になって少しは反省すればいい』

『親分、アフリカ方面は抜かりがありやせんっ!』

『おお、そうか、よくやった! アジア方面はどんな塩梅(あんばい)だっ!』

『そろそろ報告に戻ってくる頃と思いやすが、まあ、抜かりはねえと存じやすっ!』

『いいだろう! ご苦労だったな。長旅で疲れたろう、少し休むがよいっ!』

『ははっ! 有難う存じやすっ!』

 報告に寄ったウイルスが去ると、極悪ウイルスは身体を揺らせながら何やら考え始めた。

『フフフ…人間どもめ、少しは()りたろう。自分達が招いた行いの悪さを思い知るがよい。それはそうと、人間達が死滅したあと、生物界の頂点は俺達になるのか? いや、そうはならねぇ~だろう。猿かっ? …猿は猿だからなぁ~。まあ、グダグダ考えても仕方がねぇ。ははは…なるようになるかっ!』

 極悪ウイルスはニヒルに(わら)った。

 一方、こちらは夢から目覚めた海老尾である。寝室の窓から射し込む日差しが(まばゆ)い。

『ああ、もう朝の七時前か…。それにしても、よく寝たぞ。いや、夢を見たんだからそうでもないか…。まあ、レンちゃんには会えたことだし、よしとしよう…』

 海老尾はそんなことを思いながらベッドから下り、洗面所へと向かった。向かう途中、応接セット前に設置されたテレビのリモコンを押した。

『臨時ニュースです。政府は民間人の専門家による諮問会議を立ち上げ、ウイルス対策を検討するようですっ! 現在までの死者数は、全国で168万6千人を超え半日で200万人に達する勢いを見せていますっ!』

 テレビが(やかま)しい音を響かせ始めた。

『モレアに代わる薬剤が出回るまで、まだ時間がかかるか…』

 海老尾は洗面台の蛇口をひねりながら、暗く思った。


                  続

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