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<65>

 (にわとり)や豚のように罹患(りかん)すれば死ぬ最悪ウイルスの出現は、世界を震撼(しんかん)させつつあった。将来こうなるであろうことは、すでに蛸山も海老尾の研究グループも予想はしていた。だが、時期が余りにも早くずれ込んだのは予想外だった。これは明らかに二人にとって予想外だった。二人の予想は十数年先というものだったが、起きている事態は深刻で、十数年先ではなかったのである。

「君、今夜はここに泊まり込むかい?」

「えっ!? ああ、僕はどちらでも…。帰ったところで誰もいませんから」

「しまった! まさかこんな事態になるとは予想していなかったから、シュラフを持ってこなかったよ。まあ、空調は入れたままにしてくれるようだから、眠くなったら応接セットで仮眠させてもらおう」

「はい…」

 その後、二人はモレアを元に、新ウイルス剤の研究を寝る間も惜しんで続けた。そして瞬く間に夜が明け、白々と外が明るくなった。二人が仮眠をとったのは、わずか数時間である。

「所長、ソチラはどうですか?」

「余り捗々(はかばか)しくはないな…。君の方はどうだい?」

「こちらも、よくないですね。検体があれば、それを(もと)にして・・という手段もあるんですが…」

「近づくだけで罹患するってのは、まるで放射能だなっ!」

「ですね…」

「防御服が効かんというのは困ったもんだ…」

「放射能より(たち)が悪いですね」

「ああ。ドローンのような機械以外、近づく(すべ)はない訳だ」

「でも、一端、探索に飛ばせば、コチラへは(もど)せませんね」

「ウイルスが飛沫感染なら、まだいいが、空気感染の場合はダメだな」

 どちらからともなく、二人は深い溜め息を()いた。


                  続

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