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 久しぶりに花見をしていた蛸山と海老尾だったが、事態の急変に驚かされることになった。その前兆は海老尾の友人である赤鯛の携帯による一報によってだった。

「なんだってっ!! 集団感染の罹患者(りかんしゃ)がバタバタ死んでるだって!! 冗談じゃないだろうなっ!!」

『馬鹿野郎っ!! こんなこと冗談で言えるかっ!!』

「わ、分かったっ!!」

 ほろ酔いの赤ら顔で浮かれていた海老尾だったが、携帯を切った手が俄かに震え出した。

「…どうしたんだ、海老尾君。いい桜だな…もう一杯どうだい」

「所長!! そんな呑気(のんき)なこと言ってる場合じゃありませんっ!!」

「んっ? ははは…君もかなり酔いが回ったと見えるなっ!」

「酔ってなんかいませんよ、所長!!」

「そんなに興奮して、いったいどうしたんだっ!?」

「どうもこうもっ!! バタバタと死者が出てるんですっ!!」

「クラスターかっ! だとしても、バタバタ死ぬってのはっ!?」

「どうも、罹患しただけで死ぬ新型の変異ウイルスのようですっ!!」

「モレア製剤は効かんのかっ!?」

「はあ、よくは分かりませんが、どうもそのようです…」

 赤鯛の携帯は事実で、その頃、発生したクラスターは、全員を死に至らせていた。

「おい、海老尾君っ!! すぐ研究所へ戻るぞっ!!」

「所長、もう夜の八時半ですっ!! 守衛のガードマン以外は、誰もいませんっ」

「そんなこと言ってる場合かっ!!」

「ここの片づけは?」

「そんなの明日(あした)でも明後日(あさって)でもいいっ!!」

「はいっ!!」

 蛸山の一喝(いっかつ)の元、海老尾は(あわ)ただしく桜の下敷きシートから立ち上がった。


                  続

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