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<53>

「今、何か言った?」

「いえ…まあ、いいです」

「何だい? 気になるじゃないか」

「私らが考えても、詮無(せんな)いことですから…」

「それは、そうだな…」

 蛸山は海老尾が言った内容が分からないまま同調した。蛸山と海老尾のウイルス話は、それで立ち消えとなった。

 モレア効果は海老尾が口を(すべ)らせたように半年で瓦解(がかい)した。製薬三社が発売したモレアの新薬が効かず、服用した新たなウイルス感染者が発生したのである。その詳細を示せば、製薬三社はモレアを素に含有量の違う新薬をそれぞれ製造販売したのだが、それらを服用した患者全てが新たな変異ウイルスに感染したのだった。ウイルスも生存をかけて人間と戦っていたのである。

「やはりダメだったか…」

 海老尾は夢に出現したレンちゃんに相談してみようと思った。

 正月気分が瞬く間に去り、厳冬の二月が巡ろうとしていた。そうこうした、ある土曜の深夜、雪起こしの冷たい風が虎落笛(もがりぶえ)を強め吹いていた。そして風がピタリと吹き止むと、それまで降っていなかった雪が、(にわ)かに舞い始めたのである。

「雪か…」

 櫓炬燵(やぐらこたつ)でウツラウツラしていた海老尾が、目覚めて窓サッシを見遣り、ひと(こと)(つぶや)いた。


                  続

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