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「そうなんだよ。お堅いのはいいが、良し悪しでね…」
『ところで、今日、お伺いしたのは、他でもない、僕達ウイルスの話なんですが…』
「いや、実は僕の方も今度、夢で逢ったら訊ねてみようと思っていたところなんだよ」
『なんでしょう?』
「いや、僕はあとでいいから、君の話から聞こう」
『そうですかぁ~? それじや僕の方から…。実は、所長の蛸山さんと二人で開発された治験中のモレヌグッピーなんですが…』
「ああ、所長が抗生物質的で一過性のような気がすると弱腰の経口治療薬かい?」
「はい、そうなんです。そのモレヌグッピーなんですが、もう一工夫、加えていただければ、かなり有効なんじゃないかと思いましてね』
「… The reason why?」
『おっ? 英語で来ましたねっ!』
「少しは学のあるところを、君にも見せておかないとね」
『ははは…国立研究所勤務の学者さんなんですから、学のあるのは十分、分かってますよっ!』
「ははは…冗談はさておいて、その理由なんだが?」
『実は治験中の僕の友人が、いいところまではいってるけど、少し違うかな…って言ってましたので』
「いいところまでいってるって?」
『はい、…だ、そうです』
「方向性は間違ってないんだね」
『ええ、惜しい…っていう話です。100点満点の95点くらいだそうですよ』
「少し違うのか…。ソレが何かっていうことだね?」
『はい。ソレはお二人の今後の研究次第ってことになる訳ですが…』
「君からカクカクシカジカとは言えないんだ」
『はい、僕から言えるのは、飽くまでもヒントです。僕達の仲間には、相当悪いのが一杯いますからね…』
「これ以上言えば、君にも害が及ぶと?」
『ええ、まあそんなところです』
レンちゃんは、数少ない、いいウイルスなのである。
続




