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<24>

 今朝は日曜だから研究所へは行かずに済む。与えられた天下の休日で、自由に過ごせる24時間だった。海老尾は美味(うま)いブルマンを啜りながら、休日にフラッシュ・メモリーも、ないよな…と、仕事から 離れることにした。

 海老尾の趣味は十年来、手がけている盆栽である。最初は幾鉢も枯らしたが、最近になって要領を得たのか、枯らすことも、ほぼなくなった。マンションのベランダ越しに設けた盆栽棚に数鉢を置き、部屋内にも二、三の鉢を置いていた。その鉢に水や肥料をやったり、ガラス越しに鑑賞しながら、ゆったりと室内のソファーに身体を預け、本を読む。小気味よい秋風が弱く抜けると、疲れもあってか、海老尾は伊勢海老とはいかないまでも、大正海老ぐらいの姿でウトウトし始めた。

『海老尾さん、海老尾さんっ!!』

 海老尾は、眠りの中で肩を軽く(たた)かれた。 

「おう! 昨日(きのう)の…」

 夢の中の海老尾は、夢だとは認識していた。

『そうですよっ! レンチですよっ! 少しお話、しませんかっ!?』

「ああ、いいよ。本、読んでた、だけだから…」

 軽く海老尾は応諾(おうだく)した。

『あなた、僕のこと、どう思ってますっ!?』

「どう思ってるって…どうも思ってやしないさ」

()れないなぁ~、その言い方っ!』

「じゃあ、どお言やいいんだっ!?」

『そうですね…レン君、とでも…』

「レン君…なにやらレンコンみたいだな、ははは…」

 海老尾は夢の中で笑った。

蓮根(はす)のレンコンですか、(いや)だな、その(たと)え…』

「じゃあ、どうしよう…」

『レンちゃんで、いいです…』

「じゃあ、そうしよう」

 (あらが)わず、夢のウイルスへ海老尾は素直に応じた。


                  続

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