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 次の日からフラッシュ・メモリーに記録されたフラッシュ・メモリーウイルスの理論的な分析と定義づけが開始された。理論組み立ての事務屋となり、しばらくは電子顕微鏡のメモリー映像は見なくて済む。蛸山も海老尾も、さて、どう定義づけるか…と、未知数な先々に不安を残しながらも、テンションは否応なく高まっていた。

「アデノじゃなく、レンチウイルスが功を奏した訳だっ!」

「アデノは安全性に問題がありましたから…」

「レンチは、君の得意分野だったね、確か…」

「はあ、まあ…」

 得意分野とまでは言えないんですが…と返そうとした海老尾だったが、少し自分を権威者に見せたくもあり、そうとは言わず、暈してスルーした。

「レトロウイルス科に属するウイルスだが、ゲノムとして一本鎖RNA持っているからね…」

「はい。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の有害な遺伝子をすべて除去した後に発現させたい遺伝子等を組み込んでますから、安全性も多分にあります」

「そうだね…」

 海老尾もしっかりしたことを言うようになったな…と、蛸山は思った。加えて、たまにやるポカミスがなけりゃな…と改めて思った。ポカミスは失敗にも続く危険なミスだから、研究者としては(あなど)れない。

「そろそろ終わりですね。今日の理論解析は、この辺りでどうでしょう?」

 海老尾が蛸山を(うかが)う。

「そうだね。そろそろ終わりだな…」

 蛸山は腕を見ながら夕刻を感じた。

「先生、今日も…」

「ああ、君もよかったら付き合わんか」

「はい、あの川沿いでやってる屋台のオデン、結構、美味(おい)しいですからねっ!」

「それに酒がいいっ! 地酒の月正宗、ありゃ、いいっ!!」

「ですよねっ!」

 二人の話は急転直下、理論解析話から飲み食いの話に変化した。


                  続

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