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「そいじゃ!」

 古池が片手にリンゴを持ち、二人に一礼したあと、掃除車を押しながら室内を出ていった。

「他人の仕事は楽なように見えますが、見た目以上に大変なんですねぇ~」

「分かりきった話じゃないか。プロの仕事はすべて大変なんだよっ!」

 こいつは本当に能天気な男だ…と蛸山は海老尾をチラ見しながら、食べ終えたリンゴのゴミを生ゴミ袋に入れた。とはいえ、リンゴは皮のまま食べ尽くされているから、ほとんどゴミらしきものはない。コロンボ警部の台詞(セリフ)は、かなり影響していた。^^

 勤務を終え、研究所を出ると、二人は喫茶バッカスへ入った。明日の合同会議に向け、準備したコピー用紙の内容確認である。蛸山としては、発言は海老尾に任せるからいいが…くらいの軽い気分だが、万一ということもあるからな…と石橋を叩いて渡ろう! という気分だった。同年代のトップの中で恥を搔く訳にもいかない。というか、絶対、搔きたくなかったのである。 

 店名のバッカスは酒の神らしい…とは、海老尾が最近知った知識である。むろん、蛸山は所長だけのことはあり、そんな知識は持ち合わせていた。

「P.3なんだが、大丈夫かね?」

「ええ、大丈夫と思いますよ。ここを突っつくお馬鹿な研究者は当研究所にゃいないでしょう…」

「いや、分からんぞっ! マクロ[巨視的]理論の連中は、何かとイチャモンをつけてくるからな…」

「あの連中は、ズゥ~っと抗生剤で菌やウイルスに勝てると思ってんでしょうか?」

「君もタマにはまともなことを言うじゃないか…」

 蛸山は珍しく海老尾を()めた。

「タマは余計でしょ! タマは…」

「いや、すまない…。それでだっ! 突っつかれた場合は?」

「その場合も考えときましたよ。我々の分だけ同じP.3の末尾からP.4にかけて、説明用の補足部分を作っておきましたから…」

「どれどれ… … なるほどっ!」

 蛸山は補足部分、要するに弁解できる説明部分だが、それを読み終え納得した。


                  続


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