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 蛸山正雄は国立感染症研究所の組織を前身とし、新しく設立された国立微生物感染症化学研究所で日夜、ウイルスの研究に明け暮れるウイルス第一部の先端医療ウイルス科科長を兼ねた所長である。

「それにしても強くなったな…」

 電子顕微鏡[SEM]のモニターを(のぞ)き込むと、そこにはウジャウジャとウイルスが映し出され、蛸山は思わず(つぶや)いていた。

「所長っ! 何が強くなったんですかっ!?」

「んっ!? ははは…うちのカミさんだよっ、海老尾君!」

 海老尾は蛸山の招請(しょうせい)で大学の研究室から抜擢(ばってき)された元助手だった。

「カミさんでしたか。残念ながら、独り身の僕には分かりません…」

「ははは…君にも分からないものがあったんだな」

「そりゃ、僕にだってありますよっ! 例えば、見えないモノです。見えないモノは怖いですからねぇ~」

「幽霊とか、かいっ?」

「ははは…所長、馬鹿言わないで下さいっ! これでも僕は学者ですよっ! そんな霊的なモノは信じてませんよっ!」

「ふ~ん、そうなんだ。私は存在までは否定していないんだがね…」

「存在するとっ!?」

「存在するかどうかまで、私にゃ分からんが、現に三次元科学では説明不可能な事象も、数々、存在するからね…」

「はあ…」

「まあ、余り深く考えるなっ!」

「はあ…」

 それ以上は(たず)ねず、海老尾は蛸山と同じように机上に置かれた電子顕微鏡のモニターを(のぞ)き込んだ。

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