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第三十一話 いよいよ恋乃ちゃんとデート

今日は、恋乃ちゃんとデートをする。


よく晴れた気持ちのいい晩秋の日。


俺は、朝ご飯を食べた後、シャワーを浴び身支度を整える。


準備はしてきたとはいうものの、やはり緊張する。


俺にとって、生まれて初めてのデート。恋乃ちゃんにとっても初デート。


いいデートにしたいと思っている。


今日はまず恋乃ちゃんが俺の家に来ることになっている。


俺の家が待ち合わせ場所。


そして、そのまま駅に行き、電車に乗って映画館に向かう。


恋乃ちゃんが俺の家にくるのは、小学校四年生の時以来。


あの時はただの幼馴染と言っていい仲だったが、今は恋人どうし。


間もなく恋乃ちゃんがやってくる時間だ。


ピンポーン!


俺は緊張しながらも、恋乃ちゃんに会えるという、うれしさに包まれながら玄関に向かった。


扉を開けるとそこには……。


薄い緑色のジャケット、白いブラウス、薄い緑色のスカート。


俺の家に妖精が来た。


俺は恋乃ちゃんの姿を見た瞬間、心はあっという間に沸き立っていく。


なんというかわいらいさ。そして、清楚。


俺はこんな素敵な人とデートしていいのだろうか、という気持ちになる。


「おはよう」


恥ずかしそうな恋乃ちゃん。


ますます俺の心は沸騰していく。


「お、おはよう。今日もとてもかわいいと思う」


制服姿の恋乃ちゃんも大好き。


でも今日の姿も大好き。


「康夢ちゃん、心にもないことを言うんだから……」


顔を赤くする恋乃ちゃん。


「そんなことはないよ。俺にとっては、一番かわいいと思っているのが恋乃ちゃんなんだ」


俺は恋乃ちゃんとキスがしたくなった。


恋乃ちゃんもそれを待っている気がする。


しかし……。


今の時点で、もし断られたら、デート自体も断られてしまうだろう。それは避けたい。


今日のデートでもっと仲良くなってからにするべきだろう。


俺は懸命に我慢しようとする。


しかし、なかなか心を静めることはできない。


なんでこんなに恋乃ちゃんは魅力的なんだろう。心がコントロールできなくなる。


それでもなんとかキスしたい気持ちを抑え、


「じゃあ、中に入って」


と言った。


恋乃ちゃんが来て、すぐ出発するのは急ぎ過ぎだと思ったので、俺の家で少しお茶する時間を作っていた。


「じゃあ、おじゃまさせてもらいます」


「うん。じゃあ、入って」


恋乃ちゃんは俺の家に入る。


リビングに案内し、ソファに座ってもらう。


俺はコーヒーとお菓子をテーブルの上に置く。


そして、恋乃ちゃんの隣に座った、


恋人どうしになったとはいえ、隣に座るのは緊張する。


「うわあ、懐かしい。幼い頃わたし達ここで一緒にアニメを観ていたわよね」


「うん。よく少女が活躍するアニメを観ていたね」


今もそうだが、俺は幼い頃からアニメを観るのが好きだった。


ロボットアニメも好きだが、少女が活躍するアニメも幼い頃から好きだった。


恋乃ちゃんも少女が活躍するアニメが好きで、よく一緒に観たものだった。


時には肩を寄せ合ったりしていたなあ……。


小学校三年生の頃までは、結構そういう時間が過ごせていたのに、次第にその回数は減っていった。


最後に肩を並べて観たのは、小学校四年生の正月だったと思う。


小学校五年生になってから、一度だけ誘ったことがあるが、同じクラスの女の子との付き合い断られてしまった。


それ以降、ますます俺達は疎遠になっていたのだけど、今思う一度断られたくらいで誘うのをあきらめるべきではなかったと思う。


でもこうして俺達は恋人どうしになれた。


恋人どうしになったからには、また一緒にアニメを観たいと思う。


ただ、今でもアニメは好きなのだろうか。


好きでなくなっていたら、少しショックを受けると思う。


でもこれは聞いておかなければならないことなのだろう。


「恋乃ちゃん、アニメは今でも好きなの?」


どういう返事が返ってくるだろう。


好きだと言ってくれるといいんだけど。


「うん。今は恋愛もの中心に観ているかな。でも少女が活躍するアニメも観ているよ。昔の作品も含めて。康夢ちゃんの方は?」


今でもアニメが好きだと言ってくれている。うれしい。


「俺もアニメは今でも好きだし、昔よりも好きになっていると思う。恋愛ものも観ているよ。少女が活躍するアニメも」


「わたし達、こういうところでも気があっていると思う。うれしい」


「俺もうれしい」


「これからまた一緒にアニメを観たいと思っているわ」


「俺もそう思っている」


「これから時々おじゃまさせてもらっていい?」


「もちろん。恋人どうしなんだし」


俺がそう言うと、恋乃ちゃんは顔を赤くする。


いや、時々ではなく毎日きてもらいたいくらいだ。


でもまだそれは言うことができない。


「また康夢ちゃんと一緒にアニメを観ることができる。うれしい」


「喜んでもらって、俺もうれしい」


俺はそう言った後、


「恋乃ちゃん、好きだ」


と言った。


「わたしも康夢ちゃんが好き」


と恋乃ちゃんは甘い声で言う。


見つめ合う俺と恋乃ちゃん。


俺は恋乃ちゃんの顔を見ている内に、またキスがしたくなった。


恋人なんだし、同じ趣味を持っているのだから、いい気はするのだけど……。


しかし、これからデートをしにいくのだ。


もう少し我慢をしなければならない。


「じゃあそろそろ出かけよう」


「うん。出かけましょう。デートをしましょう」


恋乃ちゃんは、微笑みながら言った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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