しっかり者の完璧美少女ですが僕の前では子供みたいに甘えてきます。
「お前みたいな根暗は一生一人ぼっちなんだよ!!」
僕が小学生のとき一番仲がいいと思ってた男の子にそう言われた。
僕はいつもその子の後ろを歩いていた。
気弱な性格の僕は中々人に話しかけに行くことが出来なかった……そんなとき彼が話しかけてくれた。
最初は戸惑っていた僕を彼は優しくしてくれた。
授業のグループ活動や放課後に遊びに行く時も。彼の後ろをいつもついて行った。
でも……ある日突然、彼は僕にこう言った……話しかけてくるなと。
自分が何かをしてしまった記憶がない僕には理解することが出来なかった。
なんで……と呟いた僕に彼が言ってきた言葉に僕は耳を疑った。
「お前は俺を目立たせるための道具でしかないんだよ……友達なんて思ったことないね」
彼にとって僕は物と同類であったらしい。
使い終わったら捨てる……それと同じように周りからの評価を上げた今、もう僕はいらなくなったのだろう。
最初から友達なんて思っていたのは僕だけだった……。
僕はその日から何もかもが変わってしまった。クラスの人達の目に僕はどのようにうつっているのか……そう思った瞬間他人の目が怖くなった。
中学になってもずっと一人のままだった。
影では馬鹿にせれている声も聞こえてきた。
聞きたくなくても聞こえてしまうこんな辛い日々を僕は過ごしてきた。
いつも暗い顔で帰ってくる僕に両親は心配していた。
自分が学校で嫌な思いをしながら過ごしているなんて言ってしまったら問題になる……それを恐れていた。
受験生になったとき僕は両親に相談し、県外で一人暮らしをさせてもらえないか頼んだ。
両親は反対はしなかった。
そして僕……成瀬東は東京に引越した。高校では変わるという目標を胸に抱きながら……。
「ふぁぁ〜〜……昔の夢か」
僕は目を覚ましカーテンを開け洗面所に行き鏡を覗くと目の周りがうっすら赤くなっていることに気づいた。
夢を見て泣いてしまったらしい……高校生にもなってなんて情けない。
「過去の事なのに……」
学校に行く準備をしマンションを後にした。
外の空気は気持ちいい。心が浄化されていくようだ……呪われているわけではないけどね。
学校に着き教室に行くと誰もいなかった。
いない訳としては、僕の登校時間が、いつも早いからだろう。仮に、いたとしても朝練のある部活の生徒ぐらいである。
僕のマンションは学校から少し遠い場所にあるから少し早めに出ている。
ここで本当なら早く友達が来ないかな〜〜って思うのだろう。しかし僕にそんな思いは存在しない。
なんせ、高校生になって二ヶ月、まだ一人も友達が出来ていないからだ。
幼い頃のせいでまだ周りの目が怖いと思ってしまう。
慣れていかないといけないのは分かっていても、どうしても体が拒んでしまう。
これでは引越して来た意味がなくなってしまう。自分に言い聞かせても、心のどこかでは幼いときのトラウマとして残っている。
そんな事を思いつつ机の上に上半身をだらしなく寝そべらせたとき、隣から声がした。
「東くん、おはようございます」
顔をあげるとそこにいたのは美少女だった。
「お、おはよう……ございます」
僕は驚いた……クラスメイトで学校の内の美少女である如月雫さんが挨拶してきたことに。
雫さんは僕を見て笑っていた。だんだん、自分の顔が赤くなってきてるのが分かった。
彼女は学校の美少女と言われている雫さんだ……可愛いと思ってしまうのは仕方ない。
顔を隠す僕を見て雫さんが話しかけてきた。
「東くんは人と話すのが苦手なんですか?」
体がビクっと動いたのを見て雫さんはまた静かに笑った。そして僕に言ってきた。
「東くん……良かったら私と友達に
なりませんか?」
「え……友達ですか?!」
「はい!!……何か問題でもあるんですか?」
彼女は首を少し傾げながら問いかけた。
僕の何を見てそのような思いにいたったんだ……高校始まってからまともに生徒と喋ってないのに?!
始まって喋ったとしたら授業で必要なときぐらいだ。
自分を変えるために県外の高校まで来たのに情けない限りである……。
突然のことに、僕の体全体が驚きを隠せずにいた。
いつぶりだろうか……こうして、面と向かって、同級生と会話したのは小学校のときいらいかもしれない。
「僕なんかとですか?」
「なんかとはなんですか!!……私はあなたのことが気になったからこそ、こうしてお願いしているというのに……」
彼女は少し大きな声を出したあと、不満げに顔を下に向けながら呟くように話した。
こうした出来事は今までなかったものだから慣れていない。こんなときどう対応すればいいのか僕にはさっぱりだ。
「ちなみに東くん。私の名前はご存知ですか?」
「そりゃあもちろん。運動や勉学、共に学年トップを誇り容姿も青南高校の女子の中でもダントツの可愛さをもつと言われている如月さんですよね?」
なんか本人の前で言って恥ずかしくなってきたのか、僕の顔はほんのりと熱くなっていた。
そんな中、僕以上に顔を赤くしている人が目の前にはいた。
「……如月さん?」
如月さんは下を向きながらなにか言っている。
「やったぁ〜〜可愛いですって〜〜……って今のは自分が周りからどのように見られているかに対して喜び出てしまっただけですからね!!あなたに褒められたからってわけではないわけでもないですというかなんというかぁ〜〜」
早口で僕に喋ってきたと思いきや、自分で言って恥ずかしかったのかまた下を向いてしまった。
如月さんの顔を見るにまだ熱がぬけてないらしい。どうしてだろうか……自分の周りにいた女性が母だけだったからだろうか。女性のことがよくわからない。
とりあえず嫌われてはいなそうだな。
そんなことを思いつつ、自分の内心は凄く安心していた。
「昔のようにはなりたくないから……」
「東くん、なにかおっしゃいましたか?」
彼女は上目使いで僕の顔を覗いてきた。
「なんでもないですよ。友達ですね……僕からも宜しくお願いしたいです!!」
目の前には、喜んでいるのだろうか飛び跳ねる美少女。まるで小動物のような可愛いさをそなえている。
如月さんからはいつものような大人びた姿というより、僕からははしゃいでいる子供のように見えてきた。
ふと、自分の右手が自然と如月さんの頭にのっていることに気づいた。
僕は何をしているんだ……。
ゆっくりと手を頭からはなし僕は固まってしまった。
彼女も驚いたのだろう。目を大きく見開き僕のことを見たまんまだ。
やってしまった……
もう終わりだと思い込んだ瞬間言葉を疑うような一言が彼女からとんできた。
「構いませんよ頭を撫でるくらいなら……減るものではありませんし」
彼女は小さな声で僕に甘えてくるかのように言ってきた。
どこまでも無防備そうな体を見て僕のどきどきはとまらない。でもこのままでは如月さんに恥ずかしい思いをさせてしまうことぐらいは僕でもわかっている。
決心して彼女の頭に手をおき撫でる。猫のように気持ちよさそうにしている顔を見て僕も笑みがこぼれてしまう。
「もしかして、如月さんって人に甘えたいの?」
彼女の体がビクっと動きゆっくりとこちらを見て言ってきた。
「東くん…あなたに甘えてもいいですか?」
「いいですよ……って、えぇぇ〜〜!!」
やばい……流れで承諾しちゃったけど甘えるって。俺を見ている彼女の目を見みるに嘘を言っているようには思えない。
「だめ……でしょうか?」
本気だ。でもよく考えてみろ……学校一の美少女である如月さんが僕に甘えるって。まてまて、いつから僕だけに甘えるって言ったんだ。
たまたま僕が彼女の頭を撫でようとしてしまっただけであって、けして僕だからって理由でわないだろう……そう、たまたま。
それでも、こうして求めてくるようにこちらを見られると僕も勘違いをしてしまう。
僕は彼女から顔をそらして黙ってしまった。
「変なことを言ってしまいましたね。なら……今日のお昼、一緒にいただくことは可能でしょうか?」
次は昼ご飯の誘いだって?!。まあ、いつも一人で寂しく食ってる僕からしてみれば彼女を知るチャンスがえれる。
さっきの猫のように甘えるようなお願いも本心なんだと思う。まずは、僕自身が彼女を知ることが大事なのかもしれない。
「いいですよ」
如月さんは僕からの返事に対して喜んでいるのだろう。僕にとっては眩しすぎるくらいの笑顔をしている。
「それでは決まりです!!あと……場所
は教室でもいいですよね?」
高校で一番の美少女と教室でお昼……周りの男子の目が怖いだろうな〜〜。
でも如月さんの目を見てみろ。可愛いすぎる。こんなに可愛い人から言われたら僕は何も言い返せない。
「教室ですね。では、お昼また」
「どうかしましたか?まだ朝のホームルームまで時間はありますよ」
そろそろ、教室に生徒が集まってくる時間だ……何ならもう教室の外の廊下には女子の姿が見える。
僕の心も、もちそうにない。目の前にいる彼女のせいでね。
「いや、僕のほうで色々ありまして……」
如月さんが首を傾げるのもおかしくない
やばい……流れで承諾しちゃったけど甘えるって。俺を見ている彼女の目を見みるに嘘を言っているようには思えない。
「だめ……でしょうか?」
本気だ。でもよく考えてみろ……学校一の美少女である如月さんが僕に甘えるって。まてまて、いつから僕だけに甘えるって言ったんだ。
たまたま僕が彼女の頭を撫でようとしてしまっただけであって、けして僕だからって理由でわないだろう……そう、たまたま。
それでも、こうして求めてくるようにこちらを見られると僕も勘違いをしてしまう。
僕は彼女から顔をそらして黙ってしまった。
「変なことを言ってしまいましたね。なら……今日のお昼、一緒にいただくことは可能でしょうか?」
次は昼ご飯の誘いだって?!。まあ、いつも一人で寂しく食ってる僕からしてみれば彼女を知るチャンスがえれる。
さっきの猫のように甘えるようなお願いも本心なんだと思う。まずは、僕自身が彼女を知ることが大事なのかもしれない。
「いいですよ」
如月さんは僕からの返事に対して喜んでいるのだろう。僕にとっては眩しすぎるくらいの笑顔をしている。
「それでは決まりです!!あと……場所
は教室でもいいですよね?」
高校で一番の美少女と教室でお昼……周りの男子の目が怖いだろうな〜〜。
でも如月さんの目を見てみろ。可愛いすぎる。こんなに可愛い人から言われたら僕は何も言い返せない。
「教室ですね。では、お昼また」
「どうかしましたか?まだ朝のホームルームまで時間はありますよ」
そろそろ、教室に生徒が集まってくる時間だ……何ならもう教室の外の廊下には女子の姿が見える。
僕の心も、もちそうにない。目の前にいる彼女のせいでね。
「いや、僕のほうで色々ありまして……」
如月さんが首を傾げるのもおかしくない。
悪いとは思ってはいるが僕も限界がちかい。
そんな顔で見てこないでくれますかね。僕のライフはもうぜろよ!!。
そうして彼女は諦めたのか、「わかりました。」と、一言のこし自分の席に戻った。
だが如月さんの顔に浮かんでいたのは残念そうな表情ではない。彼女の顔は笑顔で溢れている。今の会話で喜んでいるのはわかったが、どこにそこまで喜んでもらえるのかが僕にはさっぱりだ。
喜びたいのはこっちのほうなんだけどね。
彼女が特別可愛いから喜んでいるのではない。僕に話しかけてくれたことが何よりも嬉しい。
神があたえてくれた踏み出すための一歩なのかもしれない。誘ってくれたことに感謝している。僕の心は嬉しさでいっぱいだ。
段々と教室に生徒が入って来る。
今日はまだ六月のはじめ頃であるのにも関わらず、やけに暑い気がする。その理由が気温によるものなのか、それとも別の何かによるものなのかは僕は、まだ知らない。
僕は時計を見る。時計の針は一時を指してた。午前中の授業が終わりみんなが解放感に溢れていることだろう。
クラスから購買や食堂に行く生徒があとをたたない。
このとき、いつもであったら僕もクラスを出て屋上へ行くだろう。だが、今日は先客がいる。
隣を見ると、先客である如月さんが笑顔でこっちを見つめている。今だけではない……授業中もずっと笑顔で鼻歌を歌っていた。
クラスの中では、「今日の如月さんは、何か良いことでもあったのか?」なんて言う声が多かった。
そして今にいたる。
「では、私達もお昼食べましょうか」
「そ、そうだね」
そして彼女は椅子を持ち僕と向かい合うようにして座った。クラスに残っていた生徒がそれを見てざわつく。
無理もないだろう。いつも一人だった僕が急に学校一である彼女と、お昼を食べようとしているのだから。
周りからどう見られようが僕達はただ、お昼を食べるだけであって僕や如月さん自身、下手心があるわけではない。
僕なんて誘われたから一緒にいただくのである。
なら今、僕がすべきことはただ一つ。この目の前にいる学校一の美少女と楽しく食事をすることだ。周りの事なんて気にしてはいけない。
カバンから弁当箱を取り出す。そして、僕が弁当箱のフタを開けようとしたときだった。
向かえにいる如月さんが口を開いた。
「あの……」
ん?何かあったかのかな。
「東くんが宜しければなんですけど……お弁当を交換しませんか?」
「交換……ですか?」
僕は、別にいいですけど……弁当を交換か……なんか、面白そう!!
「構いませんよ」
如月さんに僕の弁当箱を渡すと彼女も弁当箱を差し出してきた。開けてみると美味しそうな物が沢山つまっているではないか。
「これは、如月さんの手作りですか?」
「そうですよ。私、料理には自身がありますよ。お口にあえばよろしいのですが……」
これは彼女の手作りなのか……えっ、凄く嬉しいんですけど。絶対美味しいに決まってんじゃん。
「東さんのお弁当はいつもどなたが作ってくださるのですか?」
「僕ですか?一人暮らしなので毎日自分で作ってますよ」
笑いながらそう伝えたら、如月さんは驚いていた。
「ということは……これは東さんの手作り弁当なのですか」
「そういうことだね」
如月さんの顔の表情が変わった。何だこの空気?!彼女の周りに見えないオーラみたいなのがある気がする。
「いただきます」
「私も……いただきます」
僕と如月さんは同時に箸で具材を取り、口へ運ぶ。美味しすぎる。なにこれ……どこの高級料理ってなるぐらいの旨さ。
「如月さんこれとっても美味しいよ!!」
如月さんは僕の弁当を食べたあとからずっと下を見ている。やばい……料理に何か入っていたか、それとも味が変だったとか。
焦っている僕の前で彼女は呟くように喋り始めた。
「なんですかこれ?!こんなに美味しいものがこの世の中には存在したんですか!!。しかもこれを作っているのが東くんって凄すぎますよ〜〜」
なんか褒めてくれてる。料理に問題ないなら良かった。
食べ始めて少し経つと如月さんが諦めたかのように僕に言ってきた。
「東くんは私より料理ができるんですね……」
彼女の顔が少し落ち込んでいるのが僕にはわかった。そういえば俺も美味しいしか言ってない。そりゃあ落ち込むのも当然である。
「如月さんの弁当のほうが美味しいよ!!このお肉なんて中まで味がしみこんでいてご飯が進むし、野菜もあるからバランスがとれていますし」
互い褒めあって少し照れくさくなったのか両方とも下を向いてしまった。顔が熱い……ものすごく。
昼休みの時間が少なくなってきた。
「ごちそうさまでした。如月さんの弁当はとても美味しいものでしたよ」
「東くんこそ。大変美味なお弁当でした……なので明日もしましょう!!」
やる気に満ち溢れた目で僕に言ってきた。
「良いですよ」
僕にとっても嬉しいことである。明日も、こんなに美味しいものが食べられるって思うと喜ばない者なんていないだろう。
昼休みの終了を知らせるチャイムが響きわたる。
良し……やる気も出たし午後の授業も頑張るか!!
放課後、僕は玄関で一人で待っている。周りからは部活動に励む生徒たちの声……青春か〜〜。
友達がいなかった僕には無縁の存在である。誰かと一緒にいる嬉しさや協力できる楽しさなどは一度も味わったことがない。
そんなことを思っていると、僕の耳に響きわたる生徒の声をかき消すように後ろから優しく名前を呼ばれた。
「如月さんお疲れ様。生徒会の仕事って言うもんだから時間かかると思ってたけど……」
「それはいけません!!私から一緒に帰りましょうと誘ったのにも関わらず長い時間、待たせるなんてことがあれば最低じゃないですか」
それって僕と早く一緒に帰りたいから急いで終わらせて来てくれたって受けとってもいいってことだよね。
「僕も如月さんが誘ってくれたことに感謝しているよ。今だけじゃない……今日の全てのときを楽しませてくれた。じゃあ……帰ろうか」
何故一緒に帰ることになったかというと遡ることニ時間前の昼休み。
僕たちはお昼ご飯を食べたあと自席に戻って次の授業の準備をしていた。その時、横から丸まった紙がとんできた。
投げたのは隣の如月さん……何だこれは?彼女は小さく口を開いて何かを喋っている。
「読・ん・で・く・だ・さ・い」
読めばいいってことだね。そこに書かれていたのは……
放課後、一緒に帰りませんか?
僕の頭はとうとう思考停止状態になってしまう。
どうしたんだ?!今日の如月さんは何か変だ。いつもはクラスの生徒達と笑顔で話しているのは見るが自分から誰のそばに行こうとするところを見たことない。
一応いうがこれは、ストーカーとかではないぞ。長年に渡って一人でいたため周りを観察する癖がついてしまっただけだ。
……なんか自分で言って悲しくなってきた。
そして僕も同じようにして返答を書き彼女に渡した。
もちろん返答は「良いですよ」である。この誘いを断れば如月さんは悲しむかもしれない。
父さんから女性を悲しませてはいけないと教わってきた僕は、断れる力なんてそもそもない。
友達と下校か……楽しいのかな。
喜びと好奇心で胸の中が今にでもはち切れそうだ。どうやら如月さんも同じだったらしい。
僕の答えを読んでから笑顔のままだ。それを見ていると自然と頬が緩んでしまった。
そして今にいたる。
校門を出るまでに会った生徒のほとんどの人が如月さんに挨拶をしている。
それに対して嫌な顔せず全てに笑顔で返す彼女は凄いと思う。そして僕たちはまた歩き始める。
……これは偶然なのか。僕が気づいた頃にはあるマンションに着いていた。
「如月さん……一つ聞いていいかな」
「はい。なんでもどうぞ」
凄い………なんでもかかって来いって感じの目つきをしている。
「如月さんもここに住んでるの?」
「そうですよ。私も一人暮らしをしているんですけど……まってください。東くん今、如月さんもって言いましたか?」
「言ったね」
「え、えぇぇ〜〜〜〜。東くんもこのマンションにお住みになっていたんですか?!驚きです。いつもひとつ屋根の下にいたなんて……」
うん。それは少し誤解をうむ言い方だからやめようね。
「僕も驚いたよ。如月さんが一緒のマンションの住民だったなんて」
「親が過保護なもので。私に何かあれば大変と警備ができてるとこにしてくれて……恥ずかしい話です。私も少しの鍛錬ならつんでいるのに」
「ツッコミたいとこもあるけど今日のところは夜も遅くなってきたし、そろそろ帰えろうか」
如月さんは不満げな顔を僕に見せてきた。そんな彼女の顔を見ながら一つの提案を持ち掛ける。
「僕もできることならまだ話してたいよ。そこでなんだけどさ……明日の朝、一緒に登校するのはどうかな?それならまた話せるし」
彼女はわかりやすいように顔の表情を変えた。
「わかりました。では明日エントランス前でまっていますよ」
そうして如月さんは鼻歌を歌いながらマンションに向かって歩きだした。
マンションに入りエレベーターに乗ると楽しそうに鼻歌を歌っていた如月さんが話しかけてきた。
「明日からも宜しくお願いしますね!!」
その一言と同時に如月さんが住んで居る階に着きドアが開いた。
彼女が開いたドアから降りたのを確認し僕がボタンを押して閉めようとしたとき……
「東くん!!……またね」
如月さんが振り返り手を振ってきた。
「またね」
ドアが閉じた今、この空間には僕しかいない。
「っ……可愛いすぎる!!」
学校一の美少女としてではない。甘えるような彼女にどうしても僕は引き寄せられてしまう。
「明日の僕は、あの可愛さに耐えれるのだろうか」
僕は一人で悶えながら今日を終えた。