「お金がない」と聞いていたから
ゆるふわ設定ですが、どうぞお楽しみください。
友人の彼女の口ぐせは「お金がない」だ。
「父がちゃんと働かないからお金がない」
「兄弟が多くて生活費が大変!」
最初はそれらの発言に「大変ね」と言っていたが、だんだんイヤになってきた。みんなが「また?」と思いつつちょっとしたモヤモヤを抱えていた。
そしてそのモヤモヤは「お金がない」という彼女がいない時の放課後にふと、こぼれてきた。
「もしかして、おごって欲しいってことかな?」
え、そんなことってある?
「それはないんじゃないかしら?」
そうよね。
「もしかして、誘ってほしくなかったのかもしれないわ」
「断りにくかったからお金がないって言っていたってこと?」
「だって、みんなで遊びに行くようになってからじゃい?お金がないって言うようになったの」
そう言われてみるとそうだ。
みんなでお茶飲んだり、買い物に行くようになってからよくお金がないということを聞くようになった。
「悪いことしたわ」
「もっと早く気付けてたら良かったわ」
遊びに行くお金がない。
そう言い出しにくかったから、お金がないと言って私たちと距離を置こうとしたのか。
早くに気づけなかったことを少しばかり反省したが、この反省は次の行動に生かしていこう。