狼煙(改)
舞台は再びアルマー村に戻ります・・・。
「ラシル様はおられますか?」
聖仙様宅からのお迎えが来たので、メイクばっちり準備万端で向かいます。
「本日は、わたくしスーリアがご案内させていただきます」
丁寧な礼と共に美しい女性が微笑んでいます。そして、思わず胸に目が吸い寄せられる・・・なるほどね。何も言いませんよ、こちらこそよろしくお願いします。
「お姉さま、いってらっしゃい!」
ミサトちゃんに見送られて宿を後にします。珍しくタマキちゃんがいなかったけどお使いかな?
聖仙様のお家は、ここから歩いて1時程の森の中。
どうやら私が迷い込んだ森にお家があるようね。
街道を少し歩いて森に入ろうとすると、スーリアさんが反対側の山を見上げます。
山の中腹あたりに白い狼煙が上がり始め、続けてもう1本上がります・・・。
「白が2本・・・」
スーリアさんが表情を引き締め何かつぶやく。そして、そのまま動きません。
なんとなく声をかけない方が良いと判断して、彼女を待つことにしました。
「失礼いたしました、それでは」
「あの狼煙は一体・・・」
ほどなく動き始めた彼女に問いかけると、その言葉を遮る様に大きな鳥が鳴き声上げ飛んで行きます。
「さあ、参りましょうか」
スーリアさんの微笑みに、言葉を飲み込んで森の中へ入っていきました。
「よーこそおいでくだされた。まあゆっくりしてくだされ」
森の中の道なき道を歩いて、少し開けたところに聖仙様の家はありました。
聖仙様自ら出迎えに恐縮します。結構広いお家の応接室らしきお部屋に通され、ハーブティをいただきます。のど越しがさわやかで気持ちがすっきりします。
改めて自己紹介をして、ルルの井戸を探している旨を伝えると、聖仙様なにやら考え中です。
「あの~、名前が違っていてもそのような効能のある水場とか、何か情報はないでしょうか?」
「う~む、確かに以前はそのような水場があったのじゃが・・・お前さん、双子の家に泊っておるし、これも何かの縁じゃろ」
と切り出されたのは、ちょっとびっくりする話。
聖仙様、何やら事情にお詳しいようです。




