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命を継ぐ者(ラシル)の旅  作者: みのりっち
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呼び出し

その日は、トゥルクのお役所から呼び出しがあり、奥様と一緒に出掛けます。

案内された部屋で、仰天のお話がありました。このままでは開校許可の取り消しもありうると・・・。


「教育内容は、新しい訓練校ですから工夫があってよろしいのです。ですが、生徒達が将来事業活動を行うことになっていますよね? この内容と、お金の流れが不明瞭なのです・・・」

なんでも、事業で利益が出た場合、どこへ還元されるかはっきりさせる必要があるとか・・・。


「この訓練校は、隣国アルシュとの姉妹校でもあります。利益がそちらに流れるようなら、手続きの見直しが必要です・・・」

生徒達の活動に関しては、その都度申請をするということで折り合いがつきました。しかし、利益の流れについては後日改めて説明する、と言って私は奥様ともに役所を後にしました。


「まったくこれだから・・・。旦那に言いつけてやろうかしら!」


奥様曰く、旦那様はあれでも色々な所に顔が利くそうです。

落ち着いて下さいね奥様。でも、旦那様をあれ呼ばわりはさすがにどうでしょうか・・・?


「いいわ、出資分を繰り越して利益と相殺させ、それを超える分にはユミル内に還流させる流れを作ればいいのよ。ラシルさんも手伝ってね・・・」


リムさんにも手伝わせるからと言われ、いいえと返事が出来ない状況です・・・。

ちょうどこの週、リムさんは出張にでており、私と奥様で良い方法がないかここ数日頭を悩ませています。


部屋に飾ってある観葉植物に、今、大きな問題を抱えて前にも後ろにも進めないの・・・ と顔を近づけ愚痴をこぼします。すると、なんともいえない柔らかな空気に全身が包まれました。


癒してくれているのね・・・。ありがとう・・・と思わず呟きます。


・・・・・・・・


出張から戻ってきたリムさんに相談すると、事もなげに言われました。

「ああ、それは利益を出さなければよいのです!」

「・・・?」

「生徒達の商う規模を抑えれば、出資金が必ず利益を上回りますから・・・」

そもそも在学期間中に、それも商店立ち上げから1~2年で大幅な利益を望めるものは期待していないそうです。


「万が一、そのようなことがあれば、訓練校から独立させればいいのですよ!」

「何それ・・・」


生徒達の面接も終わり、開校を今更白紙にできない状況だったのです。この数日悩んでいた私達は、ほっと息をつきました・・・。


次回、エピローグ、です。

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