トゥルク1
翌日の夕方、御付きの人が迎えに来てくださり、ルドラさん主催のパーティに出席です。案内された場所は、誰かのお屋敷らしき場所。大きな門をくぐって中に進みます。
「まあ、ようこそ! 遠いところをわざわざありがとう。きっと、来てくれると思っていたわ・・・」
ルドラさんに迎えていただき、皆に紹介されます。どうやらこの街の貴族と商人の皆さまのようです。
私は、話に加われる雰囲気ではないと感じ、挨拶をした後、端に席を取ります。
(あとで、お仕事のお話と、別に紹介したい方がいるのよ。でも驚かないでね・・・)
ルドラさんが再びやってきて耳打ちします・・・。
・・・・・・・・
パーティが終わり、屋敷の別室に通されます。中には、ルドラさんと、ご婦人が一人いらっしゃいます。ルドラさんが、私をご婦人に紹介します。
「奥様、紹介しますわ。こちらが、噂の龍巫女様です!」
「初めまして、ラシルと申します・・・え?」
「まあ、龍巫女様、お久しぶり。その節はお世話になりました」
なんと、そのご婦人は、龍巫女の占い館の最初のお客様でした・・・。
ルドラさんが、説明を始めます。
「私、今、この国で新しい事業を考えているの。それは”人を育てる”というお仕事。それでね、このトゥルクで良い場所を探していたけれど見つからなくて・・・。そんな時、龍巫女様の噂を聞いてね・・・」
(確か・・・この先の人生でもっと楽しいことを、とおっしゃっていたかしら?)
「事業のことは何も言わずに占ってもらったら、あるお屋敷を教えてくれたでしょ。私、それを聞いてピンときたわ。そしてね、そのお屋敷の持ち主がこのご婦人よ・・・」
(何か色々繋がっています・・・)
「話はまだこれからよ。奥様はお屋敷を使わせる条件を2つ出されたの。1つは奥様自身もこの事業に参加すること。もう1つは・・・」
ルドラさんが奥様の方を向き促します。奥様は、その言葉を継いで私に言います。
「龍巫女様、あなたもこの事業に参加なさい!」
「はい?」
奥様曰く、この国にはまだ貴族向けの子弟教育しかない、とのこと。ルドラさんが目指すものは、今までにない商売の考え方や仕事の流れ、新しい産業の誕生を期待するものだそうです。
「もちろん、じっくり職人の元で育てる、というのも大切よ。でも、新しいことを生み出し大きな発展を望むには、別のやり方も必要なのよ!」
ルドラさん曰く、この事業は自国でも始めており、今回初めてこの国に進出するとか。
「それで、お屋敷を使わせていただく条件の中に、どうして私の参加が含まれるのでしょうか?」
「そのほうが、面白いからに決まっているじゃない!」
(だめだ、この人たち同じ思考回路だわ・・・)
次回、トゥルク2、です。




