龍巫女の意志
「聖仙様、こんなお札ダメですよ! もし他の方の占いで出たら、どうするおつもりだったのですか?」
「いや、おかしいのう? こんな札を作った覚えはないのじゃが・・・。そうじゃ、徹夜で作ったから疲れておったのかも。もう他にはあるまいよ、くわっくわっ!」
聖仙様は、笑って誤魔化します。まったく、あきれてものが言えません・・・。
「まあ、そのことは置いて、あんたはそこに行きたいのじゃな?」
「はい・・・」
「なら、決まりじゃ!」
え? でも龍巫女の占い館は・・・。
「そうね、ラシルさんが留守の間は、誰かが龍巫女になりすませばいいのよ。衣装を頭から深く被っておけば顔もわからないし・・・」
いや、お母様、そんなわけには・・・。だって龍巫女の看板・・・。
「ラシルさんや。不在の間は、スーリアに龍巫女の占い館をまかせればよい。なにせ、スーリアは数代前の龍巫女じゃ!」
「はい?」
聖仙様の話によると、龍巫女とは10代の乙女が龍神慰撫を務める役。スーリアさんは3代前の龍巫女だそうです。そして、先代の龍巫女は、少し前に村の男と駆け落ちして出ていったきりになったとか・・・。
後継にミサトちゃんを考えていたのですが、女神様からOKがでなかったそうです。
私はといえば、女神様が認めたため年齢のことは不問になったようです。
「ダイジョウブ、あんたはその年でまだ処・・・ぐぼっ」
お母様とガウリアさんから投げロープ術のダブル攻撃を受けて、聖仙様が悶絶します。ありがとございます、乙女の秘密守られました!
「そういえば、私、龍神慰撫のお仕事ほとんどしていません・・・」
「今のところは、皆、おとなしいものじゃ」
聖仙様によると、水龍神が昇天後もまだ数匹は龍神が残っているそうです。でもずっと眠ったままで、私がしばらく不在でも問題ないだろうとのこと・・・。
「話は変わるが、今日来た客人は、隣国アルシュの藩王にして商売の神と言われるルドラじゃ。十分気を付けたほうがええ」
ガウリアさんが少し心配そうに言いました。
私はそれより、龍巫女の話が引っ掛かります。確か水龍神昇天の前、女神様に呼ばれて洞窟にタマキちゃんを連れて行ったはず・・・。龍巫女って年齢も性別も関係ないのかしら・・・?
後ろでは、聖仙様とお母様が占い代金の取り分の話し合いです。双子達も手伝う事になり、今迄通りで8:2で収まりました・・・。次回は、神殿の長、です。




