怪しい一行
報告によると、どうやら山越えで国境を抜けようとしているようです。
水晶玉でみた男達と同じ服装の者がいたので、まず彼らが犯人一味とみて間違いないでしょう。
何かいい方法はないかと考えていると、「囮作戦でいこう」、とガウリアさんが提案します。
そして密かに先回りをして、怪しい一行を待ち伏せします。
・・・・・・・・・
国境に向かって急ぎ足の怪しい一行。
ちょうど坂道を上がったところで、年老いた女を伴った若い女性に出会います。
「すみません、子供がかどわかされ探しております。10才ぐらいの女の子を見なかったでしょうか?」
若い女性が、その一行に声を掛けます。
「さあ、知らぬ。我ら先を急ぐ故、御免!」
「何か、それらしきものを見たとか、お聞きになっていないでしょうか?」
といいながら追いすがる女性を、男は邪険に突き飛ばします。
「邪魔するな!」
捨て台詞を残して通り過ぎようとする一行。
しかし、若い女性は突然腕まくりをして、勇ましすぎる男前な啖呵をきります。
「ちょっと待ちな! 人が下手にでりゃいい気になって!」
お母様無双劇場のはじまりです・・・。
男たちは、たじろぎながらもお母様を睨みつけます。
一人の男が、女が無茶すると痛い目に遭うぞ、と殴り掛かったところを躱しざま裏拳一閃。男は、鼻を押さえて悶絶します。
何だ、この女! と残りの男達にぞろぞろと囲まれた所で問い詰めます。
「お前たちは、この国の者じゃないね!」
思わず、うっ、と詰まるものもいるが、先頭の男は冷静に、それがどうした? と開きなおります。
「麓の村で、男二人を縛り上げ洞窟に放置、そして子供を誘拐した者がいる。お前達はその一味だね?」
「さあ、何のことだかわからぬ。人違いではないか? 我ら先を急ぐ」
そのやり取りの合間に、大きな荷物袋を抱えた男にそっと駆け寄り、素早く荷物を開ける老女・・・。
「お、おい、何しやがる?」
「あ、わしの孫じゃ、この袋に中におるのは、わしの孫じゃ!」
「ほら、やっぱり!」
お母様が、勝ち誇ったように言うと、男は、ぐぬぬ、と渋い顔。
「しょうがねえ、始末しろ!」
男は、再び捨て台詞を吐きます・・・。
次回、お母様無双です。




