国境地帯
ミサトちゃんが半狂乱状態なので、慌てて水晶玉の前に座ります。
手をかざしながら、タマキちゃんをどうか探して! とお願いすると、男がタマキちゃんを荷物袋に入れ、集団で山道を進んでいくところが見えました。
「タマキちゃんを見つけました! でもここどこだろう?」
水晶玉の情景は、龍巫女しか見ることが出来ません。どこの山かしら・・・?
あれ? 山の向こうにとてつもない巨石が見えます。
そして、その向こうに見えるのは・・・。そういえば、ここどこかで見たかも・・・。
「あの~、大きな火口湖がある近くってわかります?」
「西の国境だ!」
「鳥族を呼べ、ありったけだ、急げ!」
男たちが慌ただしく出ていきます。
「待って、私もつれて行って!」
ミサトちゃんが、火のついたように泣きじゃくります。お母様が小さくつぶやきました。
「だめよ、国境には魔物が出るもの」
鳥族5人を含めた捜索隊が組まれます。
場所を特定できる私、それからお母様、ガウリアさん、村一番強い男が選ばれ、鳥族の男に運ばれ国境を目指します。他の男たちは武器を手に、山を駆け上がっていきます。
残りの鳥族は、先に上空から捜索し、私たちと男たちとの間を取り持ちます。
火口湖はすぐ見つかりましたが、水晶玉で見えた地形が見当たりません。いったん下へ降りることにしました。そしてお母様とガウリアさん、村の男と私の2組に分かれ辺りを探します。何かあったら狼煙を上げることになりました。
周囲を探していると、赤い狼煙があがりました。私たちがその方向へ走ると、お母様とガウリアさんが立っていました。
「何か見つかったのですか?」
お母様は、黙って目線を下に向けます。そこには何かが争ったような跡と、薄い血痕、そして何かを引きずった跡が崖の下へ消えていました。
「まだ、近くにいるかもしれない・・・。手分けして探そう!」
お母様とガウリアさんは国境方面へ、私と村の男は火口に降りる道を、鳥族は上空と崖下に分かれ捜索が続けられます。
やがて、上空を旋回していた鳥族が、荷物を背負って山道を急ぐ怪しい一行を発見しました。
タマキちゃんの安否が心配です・・・。




