天人流闘術(改)
「この世は、天と地に分かれる。私達がそれらの働きに通じ、自分の体にまとめることが出来れば、何も恐れることはない。素手であれ、剣であれ、ただ体を理の動きに従わせれば良い」
さらりと言われても、む、難しいです・・・。
「我が流派では、その感覚を掴むために舞を修める。但し、体の中で天地を共存させる」
わかります! なんとなくわかります!
「そこで龍巫女さんは、まず魔方陣を覚えなさい」
ガウリアさんは、おもむろに地面に棒で3x3のマス目を描き、数字を書き込み始めます。
「これは、縦横斜めどこの数字を足しても同じ数になる」
おお、どこを足しても15になりますね。
「これをもとに、地主神を地上に招き、話をするのだ!」
「はい?」
この国では、死者は地主神のもとに行き、五穀豊穣を司る神の館で饗応を受けるそうです。その時に、死者が迷わず館に着けるよう、魔物に案内を頼んだことが始まりとか。それがいつしか魔物を操るようになり、術師の器によっては、魔神さえも操るとか。
「じゃあ、まず豊穣の神を呼んでみるか。龍巫女さんは、器ができているからダイジョウブ」
ガウリアさん、お友達のようなノリで神様を呼ぶって少し怖いです・・・。
いいから早く魔方陣を描いて、と急かされるまま数字を埋め込み、教えられるまま唱えます。
「万物誕生を司る豊穣の神に申し上げます。我が名はラシル、これより地主神様と人との仲立ちを務めさせていただくため、術師となりましたことご報告させていただきます・・・」
・・・ガウリアさん、私いつの間に術師とやらになったのでしょう? と突っ込む間もなく、魔方陣がゆらぎ始めます。そして・・・、え?
「あら~、すごいよ・・・」
何ですか? と言おうとして、目の前で繰り広げられる感覚に唖然とします。
(これが豊穣の神・・・)
思わず呟きが漏れます。すさまじいまでの生命力! これが地にあれば、言うまでもなく作物はどんどん実り、子供がぽんぽん生まれます! でも、この生命力に私がどこまで耐えられるかしら?
龍巫女さん、次を唱えて・・・とガウリアさんに囁かれます。
「・・・豊穣を司る神様、お目見えありがとうございます。どうぞお戻りくださいませ」
圧倒的なうねりが収まって一息つきます・・・。
「さすが龍巫女を名乗るだけのことあるわ! 初めてなのによくできた!」
ガウリアさんに褒められました。
でも、たったこれだけなのに・・・・うっ、うっ、涙出そうなくらい疲れました
「龍巫女姉様、すご~い!」
いつの間にか、お母様と子供たちが見ていました。
うっ、うっ、癒しの力ありがとう・・・。お姉さんは、その声掛けがとてもうれしい・・・。




