お母様の予感
鷹便をもってきた鳥族の男は、近隣の村で用事が終えた後また来るので返信はその時に、と言い残し去って行きました。その日の夕方、宿に戻るとお母様に鷹便があったことを伝えます
「あら、アイラからなの?」
お母様のおっしゃるには、アイラさんはお母様の元侍女だそうです。
国元に帰ったと思ったら神殿に入ったのね、と何やら複雑そうな顔つきをされます。ちなみに、あの巫女衣装はお母様の生国で作られたもので、特別な紋が入っていたとか。
まさか、紋の意味を知る人がいたなんてねえ・・・とつぶやきます。
「まあ、ばれちゃったらしょうがないわ。あれは・・・そうね、旅の途中、商都の衣装屋で手に入れた、とでもいっておいて!」
「お母様、だめですよ。そんなうそすぐばれちゃいます」
私、怖くてそんな返事できません!
「ダイジョウブ、神殿の巫女が、わざわざ商都まで足を運んで調べに行かないわ」
お母様、少し悪い顔で微笑んでいます・・・。
「お知り合いなのですよね? どうして、アイラさんに消息を教えないのですか?」
「何か嫌な予感がするの・・・。ねえ、そうだ! 占ってくれる? 私の感は、龍巫女様程ではないけど当たるのよ!」
「・・・・?」
ほら、早く!と催促され、仕方なくお札を選びます。
するりと1枚のお札が手に飛び込んできます。それにはこう書かれてありました。
“汝の師が呼んでいる!”
あら、ちょっと予想外のご宣託だわ。
でも面倒ごとには変わりないのよね、とつぶやくお母様。
ちなみに、師という方は一人しか思い浮かばないそうです。
ガウリアさんとおっしゃるその方は、お母様の武術師範だったそうです。
ああ・・・例の投げロープ術のお師匠様ですか!
結局、鷹便の方には、事情があってお教えできない旨、謝罪の言葉と共に言伝ました。お母様には、何も返事なくていいのよ、と言われたのですが、さすがにそれは出来ません・・・。
アルマー村では、夏の盛りが過ぎ、時折秋の気配さえ感じるようになってきました。私は、日々、占いと修行に励みます・・・。
次回は、ガウリアさんです。




