術師伝(改)
それは、まだ神々がこの世を治めていた時代、この地に初めて人間がやってきた。
人間は、深山にこもり長年修行を行った。神々と語らい、魔神を訪ね、魔物さえ師と仰いだ。その結果、この世の理を修め、神通力を得ることができた。
その業は神々さえ一目置くほどだった。
ある日、この地に一人の行商人が大勢の女性を連れて現れた。行商人は、その人間の神通力に感動し、女性達に身の回りの世話をさせるので、自分にも神通力を教えて欲しいと頼み込んだ。
「望むままにするがよい」
神通力を習うことを許された行商人は、その地に長くとどまり修行を続け、ついにいくつかの技を覚えることができた。しかし、修行以外にやり残したことがあると気づいた行商人は、国元に帰ることにした。
国元に帰った行商人は、習得した業を求める者達に伝えた。年月が経ち、失われたものもあったが、その技は細々と後世に伝えられていった。
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「皆さま、武術訓練のお時間です」
・・・時が経ち、今からおよそ20年前、ここはパルバク王国の貴族の館。
武術師範として雇われた女性が、これから護衛たちに武術訓練を行います。
その武術とは、他国で修行し帰ってきた者がもたらした闘術でした。
そして、その武術訓練を見学している子供たちの中に、ベーター王女の姿があります・・・。間もなく彼女は、その才能を開花させ ”闘術の天才” と謳われるようになるのです・・・。
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そして、ここは現在のアルマー村、龍巫女占いの館。足をぷるぷると震わせながら、奇妙な恰好で立っている女性がいます。そこへ、村長さんが一人の男性を伴って訪れました。
「ラシルさん、あ、いや、龍巫女様、鷹便が届いております」
鷹便とは、王都から各都市を結ぶ鳥族が運営する伝言網。貴族か、商人が急ぎの用事で主に使うらしいです。私宛の鷹便は、巡礼に参加した神殿の巫女達が、同じ神殿の関係者であるアイラさんという女性の代理で出したようです。
「巡礼一行の龍神詣での際、龍巫女舞でお召しになられた衣装の元の持ち主を探しています」
お母様、どうしましょうか・・・?
一緒に舞を奉納された巫女様方、どうやら、私が巫女舞に使った衣装まで神殿の皆さんにお話になったようです・・・。次回、お母様の予感です。




