出会い1(改)
「姉様、行ったよ!」
「OK!任された!」
ミサトは、灌木を踏み砕く音と共に飛び出してきたそいつに引き金を引く。
(ばしゅっ!)
(ぐるああおお)
「暴れるな、大人しくしろ!」
ミサトは素早く下がり麻酔玉を獲物に投げる。後は、大人しくなるのを待つだけ。
「姉様、捕まえた?」
森からひょっこり顔を出したもう一人の少女。
「タマキ、ほら見て」
うなり声を出す網の中の獲物、2本の大きな牙が印象的な虎。大きさは2m程か?
「やったね、父様、今日は大漁だ!」
「だれが、父様や!」
タマキのボケに激しく突っ込むミサト。タマキは嬉しそうに笑う。
二人の母は、近くの湯治村で宿屋を営んでいる。辺境の温泉地だが、源泉は神代の時代からとの言い伝え。さまざまな効能があり、国内外から人々が足繁く通っている。
「タマキ、合図(狼煙)を」
音を立て赤い煙が上空に上がる。何せ子供二人でこの大物は運べない。普段は、薬草や小動物狙いだが、今日は運搬係が待機して合図を待っている。
「猿王、早く来ないかな?」
二人で雑談をしていると、茂みからガサガサと誰か近づく音。
「タマキ、下がって」
ミサトは、タマキを庇う様に1歩前に出て、ナイフを抜き臨戦態勢へ。
「やっと出られた~、・・・え?」
茂みの奥から現れた大きな背負い袋を抱えた若い女性、ナイフを構えた女の子にびっくり。
「誰だ!!」
「あ、怪しいものでは・・・」
その女性は、投網に絡められた虎を見て2度びっくり。
警戒を解かない少女に、自分は東の国から湯治目的でアルマー村に来た旅人だと説明する。
しかし、ミサトはまだ警戒態勢を解かない。
「街道は、反対側だ。なぜこんな森の奥へ入ってきた?」
「え~っと、湯治のついでに、この辺りにルルの井戸があると聞いたので、探していたら道に迷って・・・」
困惑気味に話す女性に、ミサトはさらに詰め寄る。
「ルルの井戸なんか聞いたことがない!」
「いやいや、そういわれても」
「姉様、その人大丈夫だよ。変なにおいしないもん」
突然、タマキが横から口を挟む。
「え?」
私は慌てて上着をクンクン。歩き回ったせいか汗の匂いはするのだが。
少女は、大丈夫という言葉を聞き、ナイフを鞘に戻す。
「疑ってごめんなさい、私はミサト、こっちはタマキ、お名前は?」
「いえいえ、全然気にしてないから。あ、名前まだだったね、私はラシルといいます。よろしく」
「ねえ、ラシルさん。宿がまだだったら、家に来ない?」
「ちょっと、タマキ!」
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