表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

クエスト報酬:黄鉄鉱

此処は何処?私は誰?如何してこんな事に?


異世界に転移して来ちゃったっぽいです、まる。ここまではいいんだ。いや何も全然全く一ミリもよくないけど。


これは夢だ。たぶんきっとそうなんだ。いや、現実から逃げるはこれだけで十分か。うすうす気づいてたんじゃないか。言い直そう。


たぶんきっといや絶対に、遭難だ。うん。


状況を整理しよう。

右手を見る。開閉してみる。異常なし。

左手を見る。開閉してみる。問題なし。

五感を確認する。

まず視覚、目に映る景色は・・・森の中。灰色っぽい木とオレンジ色の木が目に付く。森の中にいるのだろうか?あたり一面木しか見えない。

次に嗅覚。松林にいるかのような、猛烈なフィトンチッドの匂いがする。あと土のにおい。ふむ。此処はどこかの自然公園の松林だろうか?


そんなわけないか。灰色の木に触ってみたら石かと思うくらい・・いや、むしろ木の形をした石と言われても納得できるほど植物とはかけ離れた触り心地だ。地球にはないだろうこの植物は、ここが異世界であるという簡単な証明足りうる。


味覚は確認しようがない、後回しだ。そもそも五感って後何が残ってたっけ?味覚触覚嗅覚、あと、あとは、何で忘れてたんだろう「視覚」。これで四つ、あと一つ。


そうだ、聴覚。心なしか耳鳴りがするような気がするけど、ちょうど車酔いとかに近い感覚も一緒に襲ってきているから、なんていえばいいかな。「召喚酔い」とでも名付けようか。


兎に角、全感覚が正常に働いているっぽいことは把握した。

問題はそれが分かったところで現在地の把握に一ミリにもつながらないということだ。


でっていう。

間違えた。閑話休題。良し。


これから僕がやらなきゃいけないことは、そうだな。ここを未開の地と仮定して、大きさは不明だが潮の香りはしないので無人島なんてちゃちなもんじゃないから、恐らく大陸。

「未開の大陸」。

いや、単に未開のエリアというだけかもしれない。

鳥肌が立ってきた、針葉樹森林は基本的に涼しい気候で育つんだっけか?まずは火を(おこ)さないと。


小枝に木の皮、枯れ葉もあればよかったんだけど、今は春先から初夏らしい。木々は青々としているし、にしてはちょっと寒いところから推測した結果だ。つまり、枯れ葉は落ちていないか落ちていても湿っていて着火に使えない。


小枝を百本集めたあたりで、何かが視界の端にちらついた。

なにこれ。


 実績達成:初めてのコレクション

 実績達成:小枝集め


オウッ


も、もう一回じっくりと見てみる。


 実績達成:初めてのコレクション

 ▼何かを100個集める


 実績達成:小枝集め

 ▼小枝を100個集める

 2件の報酬があります


な、な、な、なんだこれ!?


落ち着け。落ち着いて深呼吸だ。ヒッヒッフー。ヒッヒッフー。なにを産もうとしてるんだ僕は。

報酬ってなんだ?試しに触ってみたら、何かが展開された。


 実績達成:はじまり

 ▼クエスト画面を開く


イメージとしては1.7.10位の某世界的有名サンドボックスゲームの実績画面風な感じのクエストラインが出てきた。今見えているのは3つのタブとさっきクリアした「はじまり」とその解説、背景は黒でそこに白くハイライトされていてはっきりと目に映っている。

それに繋がっているのは次のクエスト、「ご褒美」、説明は・・・「クエスト報酬を受け取る」ふむふむ。なるほどなるほど。どうやって?

適当にポチポチ触っていたら、クリア済みのクエストを触るとハイライトが消えて――――

目の前に何やら黄淡色の金属塊が出てきた。


 実績達成:ご褒美

 ▼報酬をもらう


あ、はい。今はいいです。すでに目の前のことにいっぱいいっぱいなのでこれ以上新しい情報を増やさないでください。

最初にしては金って大盤振る舞い過ぎないか?とか一瞬だけ思ったけれど、なにに使えばいいんだ金なんて、精密回路とか高い耐腐食性が問われるシーンも赤外線を反射する鏡も通貨としての価値も今は必要ねーんだよ!

ちょっとその辺に落ちてた小石を擦り付けて、地学の予習でやった条痕色で区別するやり方を試してみると・・・結果は緑黒色。どう考えても金じゃなくて黄鉄鉱ですね。

因みに黄鉄鉱とは化学式FeS₂、比重5.0。英名pyrite、パイライト。語源は、ギリシャ語の「火」を意味する「pyr」、黄鉄鉱をハンマーなどで叩くと火花を散らすことから名付けられたのです。


要するに打ち金として使えるということだっ!


最高ですね。普段は愚者の金なんて呼ばれることもある黄鉄鉱ですが、今は金より万倍ありがたい。

早速さっき使った石を、全身全霊の力を込めて!気合!入れて!行きます!!オラァ!!!


すると、火花が出てさっき集めた小枝に着火されます・・・あくまで火種だから頑張ってフーフーして火を育てて・・・あっ点火した火の移動手段がねぇや。

僕はアホですか?バカですな本当にありがとうございました。


一度消火して、拠点足りうる場所を探す。火は確保できた。次に必要なのは、水だ。

ちょい短いですが、久々の投稿なんでまあこんなもんでしょ。いっそプロローグと統合しようかな・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ