the milky way
こんばんは、神崎です!
第2話、とうとう公開です♪ よろしくお願いします!
「あ、書く? たぶんまだ、もうちょっと書く時間あるから、……どこかで貰えるはずなんだよね~」
「あれかな、さっき通った本部テントのところとかかな?」
「あっ、そうそう! さすが星音、昔から探し物得意だよね~」
いや、ただ目立つように設置されていたものを見つけただけだったんだけど……。
そんな小さなことなのに何故か嬉しそうな紗菜を連れて、お祭りの本部テントに向かって歩く。大体の出し物は終わって……というかほとんど終わって、中にはもう撤収し始めている屋台もある。そうすると、その屋台の明かりと一緒に賑わいも消えて、やっぱり、少しだけ静かになってしまう。
それがどこか、寂しく感じた。
時間が流れてしまっているのを、見せつけられてしまった気になったから。
「……、」
「えへへっ」
「ん?」
何も言えずにいると、いきなり紗菜が小さく笑って、左手を握ってきた。さっきまでラムネ味のかき氷を持っていたからか、仄暑い夏の夜の中でちょっとだけひんやりと心地よかった。
「こうしてると、なんか思い出さない?」
「え? ……ぁ、」
ふと、思い出した。
紗菜は子どもの頃、暗い道が苦手だった。少なくとも、わたしが知っている限り、紗菜は暗い道を歩くときはかなりビクビクしていて、いつもわたしの手を握っていた。
『さな、げんきだして?』
『せーねの手、もってるとげんきになれるね』
そう笑っていたあの日の笑顔で「ちょっとは元気出た?」と尋ねてくる紗菜に頷いたのが、薄暗い夜道でよかった。
だって、これなら今の赤くなった顔をちゃんと見られなくて済むから。