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星を見つめる空に  作者: 神崎 漓莉
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under the starry sky...

こんばんは、神崎です!

今日から毎週土曜日更新で連載させていただきます! 七夕の再会、その続きのお話です♪

 七夕祭りが終わっても、七夕が終わったわけじゃない。

 お祭りの会場になった商店街からわたしたちの家がある辺りまでは少し離れているから、ふたりだけで歩いて帰ることにした。

 空を見上げているわたしたちの頭上には、とても綺麗な天の川が流れていて。きっとこれならカササギの橋も架かってるよね、だとか、そんな柄にもないことを考えたりしていた。


「ふふっ」

「ん?」


 隣で小さく笑ったのは、幼馴染みの紗菜(さな)

 大学進学と一緒に地元を離れてから、1年半くらい会っていなかったけど――それにあまりいい別れ方をできていなかったけど、いつの間にか前みたいに話せるようになっていた。

 紗菜とこんな風に並んで歩くのも、かなり久しぶりなんだよね。

 そう思うと、本当に……。


「あのさ、星音(せいね)はなにお願いした?」

「わ、わたし? えっと、うーん、あんまり思い浮かばなかったなぁ……、紗菜は?」

「え~? 言うの恥ずかしいから言わない」

「えっ、何それ? 気になるな~」


 タイミングよく質問をされて、思わず口ごもってしまったけど、あんまりお願いらしいお願いがないっていうのは本当のことだ。

 強いて言うなら、たぶん紗菜のと似たようなもので。

 そう。

 一応訊きはしたけど、紗菜のしたお願い事はもう知っている。もしかしたら、去年もそう書いていたのかな? それで今年も、たぶん今日を迎える前に書いていたのかも知れない。


『星音とまた会えますように』


 それを見たときに、鼻の奥がつんとしたような気がした。

 あんな、拗ねたような別れ方をして、進学してからのやり取りもすぐに切り上げてしまって、それから何の連絡もしないでいたのに。

 ここにいたときは誰よりも近くで甘えていたくせに。

 そんなわたしを待ってくれていたんだな、とか、そんなちょっとくすぐったいような、恐れ多いような、よくわからない感覚になって。


 それで思った。

 紗菜みたいに、わたしも自分の願いを形にしてみたい、って。


「ねぇ、短冊ってまだ書けたかな?」


 天の川は、まだ空で(またた)いている。

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