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page3

ニューオーマをポケットに突っ込み、階段を降りてキッチンのドアを開ける。

すると中には鍋をかき混ぜている春がいた。


「ん、春。まだ戻っていなかったのか。」


「うん。ちょっとね。」


作っていたのはカレーだったらしい。手際よく僕の分をつけてくれた。見た感じかなり美味そうだ。昔から春は料理上手かったしな。


「はいどうぞ。召し上がれ。」

「いただきます。んで春なんか気になることでもあったのか?」

「…うん。さっき藤にぃが言ってた極秘ベータ版。あれって誰から聞いたの?」

「ああ、あれか。父さんと佐助さんからちょっとね。」

「そういうことね。」


ウチの親父は根っこからのゲーマーでかなりの漫画好きだ。


モンスターを狩りする人達シリーズは初代からやっており前衛後衛どちらもトップクラスでできるすご腕。

また某海賊漫画を連載スタートからずっと【Step】で読み続けている。そのお陰でキッチンの小物ですらそういった関係のものがおおいのだが…


そんな親父は一応陸自の高等将官でVR技術の軍事転用の担当者になったらしく、そのコネで極秘ベータ版もプレイしたとか。正規版は未成年のみしかプレイ出来ないので結構悔しがってた。



で佐助さんはそんな親父の部下で一応まだ未成年なのでプレイは出来るが仕事の関係で今日はまだプレイしていない。



「話を変えるけど、藤にぃ ノリノリ先輩が言ってた中ボスの攻略行けると思う?」

「ん?あれか行けると思うぞ。パーティの構成はしっかりしてるし、レベルも少し足りないくらいだ。それにノリノリだってかなりのすご腕だぞ。僕、喧嘩したら絶対負けるね。」

「藤にぃは弱いからね。」

「それを言うなよ〜」


まあ弱いのは事実ですがね。

そうこう話しているうちに食べ終わった。


「ご馳走さまでした。」

「お粗末さまでした。じゃ戻ろうか。」

「そうだな。」







そして中ボス戦



中ボスは極秘ベータ版通りの《ギガントゴーレムlv25》

今の所勝負は五分五分。事前にさっき作った装備を渡しておいたので、ダメージもかなり減らせている。


「『クロススラッシュ』!」「『トリプルクロウ』!」


「グァーギ!!!!!!!!!???????」


「ナイス!」「いいぞ!『ストーム』!」


ストームは風魔法ランク4で手に入った魔法で嵐を起こし、ダメージを与えつつ相手の動きを止める効果もあるという優れもの。これでさらに動きを止める!


「『ストライク』、『クロススラッシュ』、『バスターブレード』!」

「『石火』『鞭打』『鋼指』『衝空』」

「『トリプルクロウ』『クロススラッシュ』『アクセルライジング』」

「『エアシューター』×5、『アイシンクルショット』」


一気に集中攻撃でこれまでの積み重ねもあり《ギガントゴーレム》の5つあるHPバーのうち3本目がゼロになる。残り二本


「行動阻害解けます!離れて!」



春の声を合図に一斉に後方へ跳ぶ。


ここまで行動パターンに変化はないが…



「『アイシンクルショット』!」


念のためまずは遠距離攻撃で出方を見る。まあ遠距離攻撃と言ってもやってるのは僕一人だが…


その判断は正しかったらしい。氷柱の弾丸は《ギガントゴーレム》の周り5メートルくらいの所で急激に減速していく。


「なんだあれ!」「わからない。ボンボン【鑑定】さっきとったよな。確認してくれ。ノリノリ【鼓舞】使え。春はみんなにヒールしてくれ。」


「了解『ウォークライ』!」

「『エリアヒール』!」

「分かった!……あれは重力場〔小〕効果は行動阻害。」


【鑑定】スキルは罠や宝箱だけでなくモンスターの情報も意外と手に入り役に立つスキルなのだ。

しかし重力場か……重力ってことは 光や闇魔法には効果はなさそうだな。まあないけど…


あとは……【水魔法】はもちろん【剣術】、【体術】、【小刀術】、【杖術】などの近接技は論外。【風魔法】は……ん?ひとつだけ行けるかも?いやでも言ってしまえば単なる力押しなんだよな。


でもそれしかないし……やるか!


「藤、作戦は決まったか?」

「ああ、ノリノリは《ギガントゴーレム》の攻撃を引きつけてくれ。春はノリノリに回復集中。ボンボンは今から上げられる限りスピードを上げる。ノリノリが引きつけてる間に。倒しきれ!」

「分かった!」「りょ。」「ちょっと待って。重力場はどうやって突破するのよ!」


「ん?できる限りスピード上げて力押し。」

「はぁ〜〜〜。んっ!分かった。

『エンチャント スピード』じゃあ行きますか!」

「待ってくれ。『ウィンドステップ』×5」



これが上げられる限界のスピードだが……



「OK。行く!『石火』『ハイジャンプ』『トリプルクロウ』『ハイド』『鞭打』『石火』『ハイジャンプ』『降』『点打』」


流石に《ギガントゴーレム》も重力場を突破されるとは思っていなかったらしく反応が遅れた。そこにボンボンの連続攻撃が入る。


このゲームではチェイン効果|(攻撃を連続して当てるとその回数ごとにダメージが倍増していく。)というものがあり、それによって今の連続攻撃で《ギガントゴーレム》のHPバーは残り一本。


ノリノリも念のために『ハウリング』『ウォークライ』などのヘイトを集めるスキルで攻撃を引きつけて貰ったが出番は……




HPバーが一本になり《ギガントゴーレム》の形がというか外殻が外れ細身になる。


さらに外れた外殻が変形して巨大なハンマーと無数の短剣になる。

ハンマーは《ギガントゴーレム》の手に無数の短剣は周りを舞っている。


「まじかよ!出番ありありじゃないか!

ノリノリは予定どうり敵を引きつけろ。ボンボンは動きを妨害するタイプのスキルを使用。春はノリノリにヒール集中!ッ来るぞ!」


身軽になったのに加えて重力場を加速の補助に使っていらしく、こちらで動きに追いついていけるのはボンボンのみ。


「っても数打ちゃ当たるだろ!」


魔弾を連射モードに変更し《ギガントゴーレム》を狙う。しかし周りを舞う短剣が魔弾と相殺して本体には当たってくれない。


「近接すれば…『トリプルクロウ』!ウワッ!」「『アンダースタディ』!」


ならば近づいてとボンボンが攻撃するが短剣が次々襲って来てそれを避け切ってもハンマーが襲ってくる。

しかも今はノリノリが味方1人を庇う盾スキル『アンダースタディ』を使ったから良かったもののそうでなければボンボンは死んでいた。


しかし強くなりすぎだろ《ギガントゴーレム》そもそももうギガントじゃ無いしな!

問題はあのスピードと周りの武器。だったら…


「吹っ飛ばす!『ウィンドブロウ』」


突風で武器を全て吹き飛ばす。もちろん相手はそれに抵抗してくる。がその為に足をしっかり地面につけ踏ん張っている。

つまり……


「春、ノリノリ、ボンボン。今の内にやれ!」


見た目からしてそうだが、外殻をとったお陰で防御力は紙装甲だったらしい。ほんの数回のスキルで最後のHPバーが吹っ飛び…



(ギガントゴーレムの討伐を確認。初討伐ボーナスが授与されます。)


「やった……」「ああ、強すぎだろ…」「なんとか勝ちましたね。」


三人のステータスを見るとHPとMPが殆ど底をついていた。


「お、おい!お前ら大丈夫か?ほい、ポーション」


「あ!ありがとう」「ありがと、藤にぃ」「サンキュー。」




「にしても強かったな。ナイス指揮だったぜ。」


三人とものHPとMPが半分くらいまで戻ったのを確認し、ボスからのドロップ品を確認していく。ボスドロップ品は宝箱に入っており、山分けするようになっているのだ。


「ありがと、おっいい鉱石が沢山ある。それにこれはボスドロップの武器だな。《大大槌》そのままかい…こっちは《魔浮ナイフ》が4つか丁度人数分あるな。あとは魔石がいくつか手に入ったな。お金もガッポリだ。」

「じゃあまずは街に戻ろう。みんな帰還の呪符はあるよな?」


帰還の呪符とはその名の通り街に帰るための呪符だ。おなじ呪符シリーズはあるらしいが今の所はこれしか売っていない。



「あるよ!」「あります。」

「藤は?」

「もちろん」

「じゃあ帰るか。帰還!」






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