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page2

街のすぐ近くの草原地帯に現れるモンスターはホーンラビット、ムーブストーン、オーク、ゴブリンなどでレベルは2〜9、行動パターンも単純で初心者の僕らには丁度いい。


「『スラッシュ』!」「『クロススラッシュ』!」「『エアシューター』!」「『石火』、『鞭打』」


しかしいま僕らが戦っているモンスターはというと


《スカルソードマンLV16》

《パラライズスパイダーLV13》

《ムーブブロンズLV14》

そう僕らの草原地帯に来てすぐのレベルを大きく上回っているのだ。

何故かそれはただ単に草原地帯の先にあるこの島の中ボスがいる魔王の隠れ跡と呼ばれる洞窟にいるからだ。


ん?なんでそんな洞窟にいるかって?


それは30分前にこことは違うエリアの中ボスを他のパーティが倒したことが運営から発表されて、ノリノリが「俺らもいこーぜー」と言って来てしまった…


そんな訳で僕らのレベルは急速的に上昇しており、今ではみんな20近く。


スキルも職業スキルはランク6になったし、他の一番よく使うスキルはみんなランク5となっていた。

そういう意味では良いんだけどね。


「つ、着いた…」

そうこうしているうちにボス部屋の前まで辿り着いた。


ボスは極秘ベータ版の際は《ギガントゴーレムLV25》


特徴としてはスピードこそ遅いものの高威力の通常攻撃とHPが多くHPバーが5本もあり、バーが消える度に攻撃が強くなっていく。かなり厄介な相手だ。


「よし、じゃあ中ボス戦の前に一回休憩するか。」


ノリノリの一言で僕らはボス部屋の前にテントを張る。

これはノリノリ達が事前に買っておいてくれたものでHPとMPの自然回復速度が上がるという効果がある。

大きさもなかなかあり、四人が入っても広々としている。


そしてその中でボス攻略会議スタート。司会はノリノリだ。道中でボスについてはみんなに伝えてある。


「じゃあ、ボス戦の前に確認な。みんなレベルは幾つだ?因みに俺は24」

「僕は21」、「私は20」、「私は23だよ」


レベルの上がりようが半端じゃあない。少し前まではレベル4だったのに……


「オッケー。レベルは少し足りないんだな。じゃあ今から増えたスキル枠を使うか。」


スキル枠はみんな6つ増えたらしい。


「藤は予定通り【鍛冶】と【錬金術】と【対抗魔法】、【採取】あと一つは自分で決めてくれ。

ボンボンは…」


「ボンボンは【鷹の目】、【身体強化】、【付与魔法】は取るべきだ。」


「ちょ、待ってよ。【鷹の目】、【身体強化】は分かるけどなんで【付与魔法】?」

「【付与魔法】は勘違いされがちだけど、自分を強化するだけでなくて、状態異常を相手に与えられる。アサシンならとるべきだ。」

「そういうことね。りょ」


ボンボンは石板を操作し、新たにスキルを取った。


「じゃあ春ちゃんだけど…」

「私は【チャクラ】【鷹の目】【見切り】を取って残りは街に戻ってからでいいかな。と思ってます。」

「そうか、なら俺らも残しておくか。」

「ノリノリはどうするんだ?」

「俺か?俺は【見切り】、【鼓舞】、【バーサーカー】にするつもりだけど?」

「ん?【バーサーカー】?なんだそれ知り合いからは聞いてないな。教えてくれ。」

「おう、【バーサーカー】は条件発動型のスキルでHPが残り1割のとき攻撃力が二倍になり、防御力が二分の一になるっていう代物だな。どうだ?良くないか?」

「…まあ確かにいいと思うぞ。じゃあ、ノリノリは死ぬ寸前までヒールしないで……」

「止めろ!」「やめて!」


ノリノリとボンボンが同時に否定してきた。


「おやおやお二人さんなかが宜しいこと……『ミラージュエッジ』、『クロススラッシュ』あっすいませんでした。許して……」


今のでHPが半分くらいまでになった。


「春ヒールしてくれ〜」

「はいはい。『ハイヒール』、『ハイヒール』」


二度の回復魔法でHPを元に戻す。


「んで話を戻すけど……ノリノリとボンボンは仲が……」


その瞬間

「次言ったら殺すよ?」

「あっ、はい。すいません。」


あの2人はマジで照れ隠しが怖い。前もいきなり蹴られたしな。話を変えるか。って言ってもいきなり変えると不自然だし……


「そろそろ、お昼ごろになるけどどうしますか?」


春が僕の心を汲み取ってくれたのか、話を変えてくれた。

そう言われてみるとかれこれサービスがスタートした朝6時から7時間くらいは経っている。


「ん、そうね。じゃあ一回ログアウトしますか。」

「そうだな。」「おれも賛成だけど、どうする?ここは多分人は来ないと思うけどもし来たら先を越されるぞ。」



「「「あ!」」」


みんなそのことは考えていなかったらしい。


「あー、どうしよう?」「どうしますか?」

「んー、藤なんか無い?」


本当に何もないかい……仕方ない。石板を操作して、新しく【採取】、【対抗魔法】、【鍛冶】、【錬金術】、【火魔法】を取る。残り一つは一応念のため残しておいた。



テントを囲むようににオークからドロップした、《脂っこい肉》を置き


「『ウォーターウォール』、『ファイアボール』、『エアコントローラー』」



魔法を三連射


今何をやったのかというと蜃気楼を作ってこちらに何もないように見せたのだ。


この方法は極秘ベータ版で発見されたらしいがやり方を知っているのは教えてくれた人とその知り合い、そして僕だけで教えてくれた張本人はいま仕事で居らず、また二人ともある事情から堂々とプレイ出来ない。


「これで多分大丈夫だ。じゃあ戻るか?」


ログアウトボタンを押そうとしたところをボンボンが遮った。


「ちょっと待って……『パラライズ』」

「はっ?」


体が動かない。麻痺の効果だから当たり前なのだが……


「なっ、何してんだ!」

「ん?さっきの仕返し。悪いけど焚き火が消えると不味いし、アイテムもあるから見ててね〜。」

「はぁ?」


まじかよ!ってかみんななんか目が冷たいし……


「ノリノリとボンボンは兎も角、春まで?」

「藤には悪いけど、もしアイテムを取られたり、モンスターに荒らされたら不味いしね。」


忘れていた……春はかなりバトルジャンキーで勝つためにたまに酷いことするんだった。


「まあ早く戻ってくるから。お願い!」


珍しく春が頭を下げて頼んでくる。前に僕に八つ当たりした時は謝んなかったのに……


「分かったよ。見ておけばいいんだろ……」

「んじゃよろしく〜〜、麻痺はあと少しで解けるから」「藤、頼んだぞ!」

「よろ〜」



「ちくしょーーーーーーー」





はい、諦めて麻痺が解けるのを待ち新しく取ったスキルの確認をして時間を潰す事にしましたよ!

【採取】は採取ポイントが無いし、【対抗魔法】は間違えて蜃気楼を壊してしまうかもしれず、同じ理由で火水風の魔法も却下。


という訳で【錬金術】と【鍛冶】をすることにした。


まずは自分のアイテム欄から鉱石とモンスタードロップの装備を取り出す。

意外といいものがいくつかあったのでそれは仕舞い、明らかに錆びたり、壊れている装備を選別する。



そして携帯用鍛冶屋セットと携帯用錬金セットを取り出す。

これらは冒険者ギルドに行く前に専門店街で買っておいた。

まあこんな直ぐにどちらも使うとは思っていなかったけど……



まずはただ折れたり、砕けたり、刃が欠けただけの装備を纏めて炉に入れ溶かす。

鉱石もあるけどもったいないしな。

再利用は大事です!

どのタイミングで炉から出せばいいのかよく分からなかったので何度もやり実験していくことにした。



まずは1分くらいで出して型に入れてインゴットする。

結果は……

《銅のインゴット ☆2》となった。



次は3分で出して型に入れインゴットにする。

結果は……

《銅のインゴット☆3》となった。


その後何度もやって分かったことは星が品質を示しているらしいことと3分が一番良くよりよくするためには他に変えるべき点があることだ。

ただ、これに拘りすぎると装備が作れないので一度諦める。



インゴットを再び溶かしてナイフを作ってみた。


結果は…

《銅のナイフ☆3》


モンスタードロップした銅のナイフと比べてみると少しだけ攻撃力が高くなっていた。


僕はこれで気分を良くして、次々とインゴットを量産し、銅のインゴットだけでなく鉄のインゴットもかなり作ってしまった。

少しは装備も作ったが貰った装備を超えるものは出来ていない。肘当てや胸当てなどの貰ってない箇所はそれでいいが見劣りしてしまう……


まあそのお陰で【鍛冶Ⅲ】になったんだけど……



「まだまだ道は深いってことか……」


そうこうしている間にノリノリとボンボンが戻って来た。見張りを交代してくれるらしい。




……やっと飯だー

















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