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20xx年

第三次世界大戦の終結と共に先進国はある一定の距離を置きながら復興に協力しあっていた。

そんななか日本、アメリカ、ユーロピア|(EUの発展版)、大中華共和国、新ソビエト条約機構が協力して遂にVR技術とその機械が発明された。

五国はまず学生向けのmmoRPGゲーム

ネバーランドオンラインを製作し各国の学生すべてに配布された。

このゲームはリアルさを大切にしているらしく、GMコールなどの本来ある運営機能がなく、自治しなくてはならない。

そして今日はそのサービススタート日。



「そろそろか……」

付けっ放しにしていたテレビを消して、マグカップの紅茶をすする。

今日はこのために僕の家に友達が集まっている。

「そうだね。藤は職業とかどうするの?」

「一応、魔法使いかな?接近戦は得意じゃないからね。春は?」


春こと松井 春樹は僕の幼なじみでボーイッシュな美少女だ。歳は僕の一つ下で高一


「私はヒーラーかな?ボンボン先輩はどうするんですか?」


ボンボンこと 凡田 ほのかは僕のクラスメイトでちょっと(w)怖い人だ。まあ客観視したら美少女なんだが初めて会った時の恐怖がいまだに僕の頭にこびりついているからどうしても可愛いとは思えない歳は高2


「私はアサシンにしようと思ってるよ。ノリノリは?」


ノリノリこと山川 孝典は僕の小学校の頃からの友達でイケメンで女誑しというラノベの主人公をそのまま転生させました。と言うようなやつだ。歳は高2


「ノリノリ言うな!ん?俺は……前衛で剣士系かな?

!そういや藤みんなとはいつ会うつもり何だ?」

「サービス二日目かな?今日は各自努力していこう。っていう話だったしな。そもそも学校が離れたからなかなか会えないだろうな。」

「そうなんだよな……まあ明日会えるしいいか。ん、グループに一件着信が来てるけど?」


「本当だ!んモリモリからLINE来てる。『キャラネーム何にしようかな?』だってさ。普通にモリモリで良くない?私もボンボンにするつもりだし。みんなはどうするの?」

「私もハルでいいかなって思ってます。」


「僕も藤だな。」「俺もノリノリで行こっかな?」

「じゃあ決定だね。他のみんなにも送っとくよ。」

ボンボンがLINEしている間に僕らはVRゲームのハードのセッティングをする。


〈New world maker〉


通称ニューオーマはスマホの様な形をしていて実際スマホとしての機能もあり、通信料などはすべて国払いということもあり家計に優しい作りになっている。

確か脳とリンクしているんだったはず。詳しいことはよく分からん。

ただ、今世紀前期に散々VRゲームのデスゲーム化を題材にした小説、アニメなどが出たので対策はかなりしてある。


余談になるが、お金は金持ちの老人の年金を打ち切ったり年金受給の年齢を上げることで回収したとか。


「!やべ、残り3分しかないぞ。もう行くか?」

「うわ!本当だ。いいよー」

「どうぞ。」

「じゃあ行きますか。チューンスタート。」



一瞬くらっとし、周りを見渡すと何もない。

ミスかな?と思った途端NPCだろうか?近未来的な衣装に身を包んだ女性が現れた。


「私はフェルンテ。この世界の案内人を務めております。では、これからあなたのアカウントを作ります。お名前を教えて下さい。」

「藤です。」

「藤様ですね。これでデータを作ります。良いならお手元の画面のイエスをダメならばノーをおして下さい。」


今のがプレイヤーネーム決定のとこだったのかよ!と思ったけど元から藤で行く予定だったのでイエスを押す。


「了解しました。では次に性別は……男性でよろしいですね?」

「はい。」

「では、次にまいります。職業は何になさいますか?」


手元にズラズラと職業が現れる。

手をかざすと細かい説明が現れた。

例えばマジシャンだと……


〈マジシャン 魔法を使って敵と戦う。大ダメージを与えれるが反面防御は低い。また魔法系スキルの伸びが速い。〉

となっている。

まあこれかな?


「マジシャンですね。はい、では次にまいります。種族は何になさいますか?」


また手元に種族が並ぶ。

えーと、ヒューマン、ドワーフ、エルフ……


「INTとAGIが高いし、エルフかな」

「エルフですね。ではこれで最後です。スキルとステータス構成を考えて下さい。」


まず先にステータスを決める。

ステータスはレベルアップで全て同じくらい上昇し、さらにレベルアップでもらえるボーナスポイントを振ることで自分のステータスに特徴を出せる。

初回は特別らしくてそこそこの量のボーナスポイントが貰えた。

マジシャンなので、INTに振り残りはAGIに振った。

「あとはスキルか……」


今回取れるスキル枠は5つ。

しかし、その中の一つは職業固有のスキル……マジシャンの場合なら【マジシャンマイスター】で埋まっている。


ちなみにスキル枠はレベルが5の倍数になるごとに一つ。10の倍数になるごとに一つ。増える。

例えばレベル10になるときは二つ増えることになる。


「んーまず杖術は当たり前として……体術は一応取るか、あとは魔法……」

今取れる魔法は6つあり、火、水、風、土、回復、付与。


「んー、無難に風と水かな?身近だし。」


事前に告知されていた情報の中に魔法の性能は同じ魔法でも術者の知識量で変化するというものがあった。

そのため馴染みやすい風と水にしたのだ。


これで枠が埋まった。

「オッケーです。」

「はい、分かりました。ではこれでアカウントが作成されました。ではこれをどうぞ。」


フェルンテから渡されたのは……石板?


「この世界でのメニュー欄代わりだと思ってください。しまう時は反時計回り、取り出す時は時計回りで四角形を描いてください。ではこの後は最初の島の大広間に転移します。準備はできましたか?」

「は、はい。」

「では転移します。」


一瞬で周りが白い石畳の街に降り立った。

周りには誰もいない。まだチュートリアルは続いているらしい。


「まずは街の主な施設を紹介します。私についてきてください。」


フェルンテの後をついていき辿り着いたのはおおきな酒場のようなところ。


「ここは冒険者ギルドです。クエストの受注、報告やパーティの登録、ギルドの設立、預金、不動産の売買、回復薬などの必需品の買い物などが出来ます。まあ困ったらここにきてください。さっき渡した石板がギルド内での身分証にもなります。実績を残すことで石板の材質も変化していきます。」


へぇー最終的にはオリハルコンにでもなるのか?


「この向かいにあるのがこの島一の鍛冶屋です。序盤はここで武具を整えると良いでしょう。」


鍛冶屋予定の知り合いはいないしな…


「あとは……あっ!忘れてました。ついてきてください。」


言われてテクテク歩いて行った先に会ったのは……


「闘技場?」


「そうですね。ここで今から戦闘訓練を受けてもらいます。ではあとは軍曹殿お願いいたします。」


軍曹殿?そう思って後ろを振り返ると……いた、如何にも鬼教官な外見をした人が。


「私はマッチョ軍曹だ。これから貴様には訓練を受けてもらう。まずはこれを装備しろ。」


マッチョって……運営もう少しいい名前はないのか……


手渡されたのは真新しい皮の防具と木の杖。石板をヘルプに助けられながら操作し、何とか装備できた。


「よし、ではこっちにこい。」


マッチョ軍曹の後ろをついて行った先はやはり、闘技場のコロシアムだった。奥の方にはたくさんの檻がある。その中の一つをマッチョ軍曹が異様に筋肉をアピールしながら持ってきた。


「まずはホーンラビットと戦ってもらいたい。準備はいいか!」


檻の中の ホーンラビットの上に現れたバーには〔ホーンラビットLV2〕とある。今僕はレベル1なので丁度いい。


「はい!」


覚悟を決め杖を構える。


「では開けるぞ!」


マッチョ軍曹が檻を開けると同時にホーンラビットが飛び出した。


「マジシャンの通常攻撃は魔弾だ。手に魔力を貯めて打て!」

「はい!」


言われたとおりにしてみると手から白い弾丸が放たれ、ホーンラビットの尻尾に当たりホーンラビットのHPバーが三分の一削れた。


「魔法は例えば貴様の持っている『ウォーターボール』だったら魔力を貯めて、その現象についての知識とイメージを込め、魔法名を言うことで発動する。やってみろ。」

「はい!」


魔力を貯めて、水に関する知識。

……水の化学式や融点、沸点などを込めて水風船のような形をイメージして放つ!


「『ウォーターボール』!」


水の玉がホーンラビットに当たり、ホーンラビットはドロップ品を残して消え去った。


「よしよし、その調子だ!スキルは使えば使えほど強化されていく。それは戦闘中でもだ!メニューを見てみろ。水魔法とマジシャンのスキルの熟練度が上がっているはずだ。」


言われて石板を確認すると確かに【マジシャンマイスター】と【水魔法】の熟練度がゼロから一に上がっている。


「よし、確認したな。では次に移るぞこれで最後だから安心しろ。」


おお!やった。とはおきまりの展開が見えた気がしてあんまり思えない。


「最後の相手は……私だ!『スラッシュ』」


やっぱりかい!


「ぐはっ!んっ。『ウォーターボール』!『エアシューター』」


いきなりの攻撃に反応できず、一撃がはいるがすぐに魔法で応戦。

水の玉はマッチョ軍曹の顔を空気弾は手首を狙ってうち、一度バックステップで体勢を立て直す。


【マッチョ軍曹LV30→LV5】


一応手加減はしてくれているらしいが……それでもレベル差は大きい。


「行くか!『石火』!」


今使える体術スキルの中では唯一の高速移動スキル。それで間合いを詰め、すれ違いざまに『エアシューター』をうつ。

当たりはしなかったが、後ろの檻の錠にヒビが入った。

中にいるのは……キノコ?

兎も角マッチョ軍曹は一瞬後ろに気を取られる。多分外に出てこないか不安だったのだろう。ラッキー!


「っ、しまっ」

「シュ、シュ!」


その隙にワンツーをいれ『石火』で戻りながら魔弾を打つ。


ここまででやっと軍曹のHPは半分になる。


「くぅやるなお前。では行くぞ!」


迫り来る軍曹の連続攻撃を逸らし、いなして対応する。

軍で鍛えられたお陰で今の所は対応しているが……

何故魔法やスキルを使わずに防御しているのかそれは……


(ペース配分間違えた〜!もうMPない!)


そうここまでジャンジャンMPを使ったため残り魔法やスキルを使える回数は平均して5回程度。魔弾を所々で打ち、何とか避けている。


狙うとしたらマッチョ軍曹が油断した時。

それまでジッと耐え忍び……


来た!


「とどめ!『スラッシュ』!『ストライク』!」


マッチョ軍曹がとどめを刺そうとした。今しかない!


「『エアシューター』『エアシューター』『エアハンマー』」


エアシューター二発はマッチョ軍曹の足元に打ち砂埃を巻き上げて目眩まし、エアハンマーは自分に打って身体を空へと打ち上げる。

HPが残り2割くらいしかないが仕方ない!


そして…

「『降』!」


手持ちの中で一番威力の高いスキルを放つ。

『降』はどれだけ高い所から降りたかでダメージ量が大きく変化する【体術】スキル。

俺はエアハンマーで飛び上がることで今の所出せる最大威力の一撃を放った。


「ぐはっ!」


カカト落としがマッチョ軍曹の脳天に入りマッチョ軍曹は頭を抱えてうずくまる。


「『鞭打』」


さらに回し蹴りでトドメを刺す。

軍曹は闘技場の大地に倒れた。


「か、勝った!」


マッチョ軍曹は揺さぶっても起きなかった。多分復活までに時間がかかるのだろう。

なので今のうちにスキルやステータスを確認しておくことにした。


まずはステータスだがなんとレベルは4になっていた。

ボーナスポイントは全てAGIに振る。


そしてスキルだが……


【マジシャンマイスター熟練度25→ランクアップ可能!新スキル取得】

【水魔法 熟練度25→ランクアップ可能!新スキル取得】

【風魔法 熟練度25→ランクアップ可能!新スキル取得】

【体術 熟練度20】

【杖術 熟練度6】


とすごいことになっていた。

マジシャンマイスター、水魔法、風魔法に至ってはランクアップまで可能らしい。


早速ランクアップしてみた。


【マジシャンマイスターがマジシャンマイスターⅡになりました。これにより、魔弾連射が使えるようになりました。】


【水魔法が水魔法Ⅱになりました。これにより、新たにウォータージャベリン、アイシンクルショットが使えるようになりました。】


【風魔法が風魔法Ⅱになりました。これにより、エアジャベリン、ウィンドステップが使えるようになりました。】


使えるスキルが増えたことに満足していると、マッチョ軍曹が復活した。


「ふぅ、酷い目にあったわい。ん!忘れておった。訓練はこれで終了じゃ。餞別としてこれを持っていけ。」


渡されたのは皮の鎧に木の杖だった。


「俺を倒した分も加味して普通にやるのより良いものにしてある。妖精木の杖とワイバーンの皮でできたローブだ。」


「ありがとうございます。では、これで。」

「おう、出口は右側のドアだ。」


言われた通り右側のドアを開けると外に出ることができた。


時間を確認するとまだサービススタートから5分しか経っていない。

もしかしてチュートリアルの間は時間の流れが遅いのだろうか?

兎も角、石板からLINEを立ち上げて3人にメッセージを送る。


すぐに返信はノリノリ以外は帰ってきた。今はみんな冒険者ギルドの前にいるらしい。

どうしようか迷ったが、少しやりたいことがあったので女子2人に断りを入れてからとある場所へ向かい、その後で冒険者ギルドへ向かった。





闘技場からは少し離れているが新しく覚えた『ウィンドステップ』によるスピードの上昇と『石火』を交えて走ることで2分くらいで着いた。



「遅いぞ!」


ノリノリはかなり背が高いのでどこにいるかはすぐわかった。もう来ていたらしい。悪いことしたかな?


「わりぃ、わりぃ、で今からどうするんだ?」


既にみんなは揃っているし装備も良いものを貰えたらしい。


ノリノリは魔法鉄の剣とリザードマンの皮でできた鎧。


ボンボンは隕鉄のナイフとミッドナイトマント|(透明マント的なやつ)


春はミスリルの杖とスプリングローブ|(回復魔法の効きを良くする効果がある)


を貰えたため武具屋に行く必要はない。


やるとしたら…


「パーティの申請とクエストの受注。それに回復薬とかの買い物して狩りをするか?」

「そうだな。じゃあまずは申請かな?」

「だね。」


僕らは結構長い列のできたギルドの受付に並び順番を待つついでに打ち合わせをする。


「俺は職業はウォーリアにして、レベルは5。スキルは【片手剣術】、【体術】、【ウォーリアマイスター】、【バトルヒール】、【盾術】を取ったよ。【体術】と 【片手剣術】と【ウォーリアマイスター】はランクアップした。ボンボンは?」


「私は職業はアサシンで、レベルは4。スキルは【小刀術】、【体術】、【アサシンマイスター】、【索敵】、【隠密】で【アサシンマイスター】と【小刀術】と【体術】はランクアップしたよ。」


「春はどうだったんだ?」


「私はクレリックで、レベルは4。スキルは【杖術】、【体術】、【クレリックマイスター】、【浄化】、【MPドレイン】を取って、ランクアップしたのは【クレリックマイスター】と【体術】のみだよ。」


「ってことは狩りをするときは、ボンボンが斥候でノリノリが前衛、僕が中衛で春は後衛でいいか?」


「そうだな。盾はお前を待ってる間に買ってきたのがあるから問題ないよ。藤は防具ローブだけでいいのか?胸当てとかさ」


「レベル5になった時に【鍛冶】を取るから自分で作るよ。だから鉱石も取りたいんだけどいいか?」

「いいけど【採取】スキルなくないか?」

「いや、事前情報とベータ版の情報によるとモンスターのドロップ品のなかに鉱石や錆びた武具があるらしくて、それを鋳潰すことでインゴットが作れるんだとさ。」

「へぇーってベータ版なんてあったか?」

「運営のみでの極秘版があったらしいぞ。ぼくの知り合いがやって多少は教えてくれた」

「そうなのか…「次の方どうぞ!」はーい。行くか」

「おう。」



やっと順番がきた。

受付のお姉さんはヴァンパイアなのか?八重歯が鋭かった。


僕らはノリノリとボンボンがヒューマン。春がフェアリー。僕がエルフだが初期設定ではヴァンパイアはなかった。今後なれるのだろうか?


「本日のご用件は何でしょうか?」

「パーティの申請とクエストの受注に来ました。この四人です。」


ちなみにパーティはギルドに申請しなくても組む事ができる。しかしその場合1日で解約される野良パーティ扱いとなるらしくまた申請する事で今後行われるイベントでもパーティとして登録、表彰して貰えるらしい。


「分かりました。皆様の石板を見せていただけますか?、はい結構です。登録完了しました。次はクエストの受注ですね。いまあなた達が受注できるクエストはこれらになります。」


お姉さんから渡されたクエスト受注表をリングで纏めたものの中でも武具や鉱石を落とすモンスターの討伐依頼を何枚か選び、お姉さんに渡す。


「オーク五体の討伐、ムーブストーン三体の討伐、ゴブリン10体の討伐でよろしいですね。では成功したらここに報告に来て下さい。嘘かどうかはその石板で分かりますので、頑張って下さいね。」


手を振るお姉さんに返しながら僕らは初めての狩りに向かった。

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