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人食いクジラ  3

 チビ介の肌をぽんぽんとたたくゴーストは、気が軽かった。

「ピーター、ダイモンのことはもう忘れることにしよう。アトラスがヒトリ艦隊と戦闘を始めた以上は、ここに用はない。砲弾が飛び交う騒音のさなかでは、いくらおまえの聴覚でも役には立たないからな。さあ、支援船に戻って休憩しようじゃないか」

 ゴーストの指示に従い、チビ介はすぐに進路を変えたが、艦隊のずっと後方に待機しているはずの支援船へは、ついに行き着くことができなかった。

 その前に別の変事が起こったのだ。

 アトラスの護衛についていた竜騎兵はゴーストだけではなく、それ以外にも複数いた。

 ゴーストの直属の部下で、トロイという男もその一人だった。

 同じようにアトラスの警護任務についていたが、海戦の勃発と同時に、やはり支援船へ帰還しようとしていた。

 新たな進路と指示をシャチに与え、『もうそろそろ支援船は近いな』、と思っていたところへ、海面に漂いながら、両手を挙げて助けを求めるゴーストの姿をトロイは発見したのだ。

 もちろんシャチを急がせ、トロイは泳ぎ寄った。

 トロイとシャチの姿を認め、ほっとした顔でゴーストは表情を崩した。

「ああトロイ、よく見つけてくれたな」

「中佐、何が起こったのです? ピーターはどこです?」

 数メートルにまで近づいたシャチに自分から泳ぎ寄り、トロイの助けを借りて背中へと引き上げられながら、ゴーストは答えた。

「それが何が起こったのか、私にもよくわからないのだ」

「どうなさったんです?」

「信頼していた相手に裏切られたというところかな。非常用の浮き輪をとっさにつかむのが精一杯だったよ」

 驚きで、トロイは目を丸くした。

「まさかピーターが中佐を裏切ったのですか?」

「支援船へ向かう途中、接続装置から突然泡が出て、故障らしく思えた。そこでピーターを浮上させ、額に登って点検しようとしたのさ。ところが…」

「ははあ、わざと息を詰めて、あたかも故障に見えるように、安全弁から泡を噴き出したのですね。ピーターのやつめ」

「その数分前、水面に出たとき、えらく念入りに空気を吸うからおかしいとは思ったのだよ」

「安全弁をトリックに使うとは、かなりの策士です。さすがは頭のいいマッコウクジラか。シャチなら、そんなことは思いつきもしないでしょう」

「いやトロイ、これは深刻な事態で、笑い事ではないのだぞ。とにかく支援船へ急いでくれ。緊急に司令部へ連絡したいことがある」

「でも中佐、ピーターはどこへ行ってしまったのでしょう」

「知らんよ。私を水面に残して、一人でサッと潜水してしまった。どこへ行ったか見当もつかん。私は取り残され、あとはいま君が目にした通りさ…」



 ジャネットを乗せたまま、ダイモンはひたすら降下を続けている。

「ああ、砲撃音はついに聞こえなくなった。でもダイモンの奴、どこまで降下を続けるのだろう? 深度計は…、もう900メートルを超えているのか。だが速度をゆるめる気配もない」

 突然意味に気が付き、ジャネットは全身に電気が走ったような衝撃を受けた。

「…ダイモンは、このまま深度1000メートル超えるつもりなのだ…。2人のハマダラカ兵だけでは足りず、私まで殺す気なのだ。この悪魔め」

 身を焦がすようなあせりを感じたが、今はそんな場合ではない。

 襲いかかる不安に抗して息を整え、ジャネットはなんとか落ち着きを取り戻すことができた。

 先ほどゴーストから聞かされた話の内容が、頭の中に突然よみがえった。

 ゴーストはこう言ったのだ。

「ダイモンというやつは、根っからの殺し屋なのだ」

 もちろんジャネットには意味がわからなかった。

「どういうことなの、ゴースト?」

「それだけ体の大きなマッコウクジラはざらにいるものではない。体力も体重もあり、竜騎兵を乗せてかなりの戦力になることが期待できる。そう考えて、私の父もダイモンを飼い慣らそうと試みたのさ」

「竜騎兵部隊の創設者、ジャック・カーターのことね。うまくダイモンを飼い慣らすことができたの?」

「まさかな。一年ほど試みた後、ついに父もさじを投げたよ。どうにも人間を信じず、普段はなんでもないのだが、何かのきっかけで機嫌を損ねるともう手に負えない」

「それなら、なぜ海に放してしまわなかったの? 乗ることのできないクジラを飼っておくなんて無駄だわ」

「それができない事情があったのさ」

「どうして?」

「竜騎兵部隊での経験が、ダイモンの心の中で憎悪のスイッチを入れてしまった。君も知ってのとおり、クジラの受ける訓練とは楽しいことばかりではない。いつしかダイモンは、人間を強く憎むようになった」

「だから今では、人間と見れば誰彼かまわず襲いかかるのね。ならば海に放すなんて、とんでもないわ。だけど…、だけどプールに隠しておかず、ダイモンを殺してしまうことだってできたはずよ」

「そこがヒトリ海軍のだめなところさ。世界最大クラスのマッコウクジラをあきらめることができなかった。どこの国の竜騎兵部隊を探しても、ダイモンに匹敵するクジラは見つからないだろう。いつか新しい訓練法が発見され、ダイモンを乗りこなす日が来るのでは…と期待した」

「だから未練たらしく、第4プールに隔離して生かしておいたのね。その結果がこんなことになったんだわ…」

 ダイモンは依然として降下を続け、もうすぐ深度1000メートルに達しようとしている。

 それを超えた瞬間に起こることを、ジャネットは考えないではいられなかった。

「1000メートルを超えるとすぐに潜水服がつぶれるというのではない。だけどいずれ限界に達し、私の生命が失われるのは疑いない。くそっ」

 ジャネットはため息をついた。

「マッコウクジラがどこまで深く潜ることができるのか、その限界深度は誰も知らないのだわ。だけどそれは1000メートルをはるかに超え、おそらくは2000メートル近いことは訓練校で習った。私を圧死させる深度でも、ダイモンのやつは平気でいられるにちがいない」

 ジャネットは、大急ぎで頭を回転させなくてはならなかった。

「私だって、もちろんこのまま殺されるつもりはない。使える武器には何がある?」

 真っ先にランスが目に入ったが、手を伸ばすことはなかった。

「ランスは無意味だわ。フジツボは分厚く、シャチの牙でさえ歯が立たなかった。私が操るランスで貫けるとは思えない。他に何かないか?」

 道具箱のフタをはねあげ、ジャネットは手探りをしたが、指に触れたのが信号銃だったのだ。

 グリップをつかみ、ジャネットは引き金に指をかけた。

 そして狙いをつけた。

「たとえ信号弾でも、あのフジツボを貫けるはずがない。ならば目はどうだ? 威力のある銃では決してないが、距離は2メートルもあるまい?… たとえどんなクジラであっても、目をつぶすなんて楽しいことではない。だがもう深度は950を超えているのだ。選択の余地はないな」

 引き金を引いた瞬間には、泡のせいでほとんど何も見えなくなった。

 しかしすぐに水に赤い血が混じり、ダイモンの上げる悲鳴がジャネットの鼓膜を破るかと思えたほどだ。

 鼓膜だけではなく、ダイモンの声はジャネットの体全体を震わせた。

 信号銃をポケットに入れ、ジャネットは次の武器を探した。

 だが何も見つからないのだ。

「いや待てよ。奴の左目をつぶしたのは、案外いい作戦だったのかもしれないぞ…」

 右目だけでは充分な視野が得られない。

 ジャネットが左胸を離れたことに気付くのが、ダイモンは遅れてしまったのだ。

 ジャネットは次の行動に移ったのだが、それに気づいたときには手遅れだった。

 隙を突いて、ジャネットはダイモンの額にある接続装置にしがみついたのだ。

「へへっダイモンの奴、驚くがいい。さあ、これがG弁だ」

 接続装置は、ダイモンにとっても生命線なのだ。

 ロデオの馬のように背中を揺らし、突然暴れ始めたが、振り落とされるわけにはいかない。

 ジャネットも必死でしがみついた。

 そして隙を見て、G弁のレバーを開いたのだ。

 とたんに大量の泡が排気口から吐き出され、水面へ向かって駆け上がっていった。

「どうだダイモン、これはお前の肺の中の空気だ。このまま空っぽにしてやろうか? お前は魚じゃないんだ。水中では呼吸はできない。私と一緒に死ぬかい?」

 その効果は劇的だった。

 暴れ馬のようだった動きを、ダイモンはピタリと止めてしまった。

 すぐにG弁を閉じ、ジャネットは泡の流出を止めたが、それですべてが解決したわけではない。

 ジャネットとダイモンは、不気味なにらみ合いに入ったのだ。

「これは戦いの前の静けさだ。ダイモンの奴、また何かをたくらんでいるに違いないぞ」

 G弁を開いて肺を完全に空にしてやれば、あっという間にダイモンは窒息死する。

 しかしそれは、ジャネットの死も意味するのだ。

 潜水服の中でジャネットが呼吸している空気は、ダイモンの肺から来ている。

 それを空にするのは、ジャネットにとっても自殺に等しい。

「しかし、他にどうしようもないではないか。深海へ連れ込んでダイモンは私を押しつぶし、殺そうとしている。今は肺の中の空気を人質にとっているからこそ、ダイモンも足を止めたのだから…」

 何分間かの間、ジャネットもダイモンも何の動きも見せなかった。

 互いに相手をけん制し、身動きが取れなかったのだ。

 だがそこへ、新たな動きが見えた。

 不機嫌そうにダイモンが不意に頭を振ったのだ。

 クジラとの付き合いは、ジャネットも昨日今日始めたのではない。すぐに意味に気が付いた。

「おや、何かが接近してくるのだな。しかし深度1000メートルの海だ。面倒な相手でなければよいが…」

 浅い海とは違い、深海にはときどき異常に巨大化した生物が姿を見せる。

 ジャネットはそれを警戒したのだが、結局は要らぬ心配だった。

 もちろんまだ何も見えはしない。

 ジャネットはヘッドライトの光を最大にした。

「チビ介!」

 かなたで光を跳ね返したのは、懐かしいマッコウクジラの姿だったのだ。

 そのまま高速で接近を続けたが、あのフジツボには歯が立たないことはチビ介も知っていた。

 それゆえダイモンに体当たりをしたのだ。

 もちろんチビ介は、ジャネットを直撃しないように手加減していた。

 それでも衝撃でジャネットの体は放り出され、空気パイプがピンと限界まで伸びたほどだ。

 あきらめずにチビ介は、体当たりを何回も繰り返した。

 そして一瞬、ジャネットと視線を合わせることに成功したのだ。

 チビ介の瞳は、ジャネットもよく知っているあの笑っているような表情を浮かべ、彼女を安心させた。

「大丈夫。自分が何をしようとしているのか、チビ介はちゃんとわかっているのだわ」

 G弁をつかみ、ジャネットはもう一度レバーを引いた。

 今回は遠慮なく開いたので、空気は泡というよりもまるでカーテンのように幅広く、一気に逃げてゆくのだ。

「ふふふ、これでダイモンの胸中もおだやかではないだろう。肺の中の空気を失い、一秒ごとに窒息死へと近づいてゆくのだから…。さあさあダイモン、失った空気を補給する方法はただ一つしかないよ…。よし、うまくいった。ダイモンめ、ついに尾びれを動かしたな。さあ人食いクジラ、水面を目指すんだ」

 チビ介も邪魔をせず、おとなしくついてくる。

 あっという間に、深度計は500に戻った。

 この状態でも、まだジャネットの手が道具箱に届いたのは幸運だった。

 金属製の手袋をした手で、ジャネットは手に持てる限りの爆雷を取り出したのだ。

 ヘッドライトで照らし、ジャネットは爆雷の深度目盛りを900メートルにセットしていった。

 その爆雷を、再びジャネットはダイモンの道具箱の中へ戻したのだ。

「よしこれでいい。深度900メートルに達した瞬間、これらはみな激しい爆発を起こすわけだ。おや、泡の勢いが弱くなった。ダイモンの肺は、もうほとんど空ということか」

 水面まではあと少しだが、ダイモンは苦しそうに声を上げた。

 そしてダイモンが水面に背中を出した瞬間、ジャネットは思い切った行動に出た。

 ダイモンの接続装置から空気パイプを切り離し、海中へと身を投じたのだ。

 ヒトリの潜水服は分厚く、石のように重い。

 まっさかさまにジャネットは海中を落下していった。

「なんてスピードだ。これでは空気中を落下するのと変わらないな。私が手を放すとG弁は自動的に閉じる構造になっているから、ダイモンにも呼吸の心配はなくなったはず。きっと目の色を変えて私を追ってくるぞ」

 すべてを押しつぶすような強い水流の中で苦労して体の向きを変え、ジャネットは仰向けになった。

 おかげでヘッドライトの光が、ある物を浮かび上がらせたのだ。

「おやおやダイモンめ、やはりそこいたか。牙をむき出し、こんな深度までご苦労なことだ…。しかしこれほどの憎悪をつのらせるなど、ダイモンと人間の間には何があったのだろう?… そうだ、チビ介はどこだ?」

 ダイモンの背後に迫り、同じように追いかけてくるチビ介の姿にジャネットは気が付いた。

「ああ、あそこにいる。チビ介…」

 深度が750にさしかかる頃、突然スパートをかけて加速し、チビ介はダイモンの隣におどりでた。

 だがダイモンも負けてはいない。

 長い胸びれをうまく使い、チビ介を叩こうとしたのだ。

 するとチビ介もひるんで、尾びれの動きが弱くなる。

「深度はすでに800を超えようとしている。あと100メートルか。ぐずぐすしている暇はない。これでも食らえ」

 ジャネットは再び信号銃を取り出したのだ。さっき一発使用したが、まだもう一発残っている。

 ダイモンの頭部に狙いをつけ、ジャネットは引き金を引いた。

 信号弾はダイモンの額に命中したが、フジツボによって簡単に跳ね返されてしまった。

「でも、跳ね返されることは計算済みさ。見ろダイモンめ、怒りでさらに目の色を変えたな。そうさダイモン、もっと怒れ。怒って我を忘れろ」

 ものはついでと、空になった信号銃を、ジャネットはダイモンめがけて投げつけた。

 額に命中し、ダイモンの目の色がまた変わった。

 だがそれが、ダイモンの注意をチビ介からそらしたのだ。

 ジャネットは深度計に目を走らせた。

「もうすぐ針が900を超えてしまうぞ。さあチビ介、来い」

 両手を差し伸べるジャネットをチビ介が額ですくい上げるのと、深度が900に達するのとはほとんど同時だった。

 ジャネットはチビ介にしがみついた。

 すぐさまチビ介は進路を変え、ダイモンから距離を取ろうとする。

 爆雷がいっせいに爆発したのは、この瞬間のことだった。

 真っ暗な深海に閃光が走った。

 青白い光は、まるで嵐の中の稲光のようだ。

 フジツボの装甲板も今度は役に立たず、ダイモンの皮膚を大きくえぐりとった。

 それだけではなく、爆発はその下の筋肉まで破壊したのだ。

 爆発と閃光にも、ジャネットは手を止めなかった。

 チビ介の額によじ登り、ついに空気パイプを接続することに成功したのだ。

 新鮮な空気となつかしいチビ介の匂いが、ジャネットを心の底からほっとさせた。

「やあチビ介、お帰り。いや、『お帰り』とあんたが私を歓迎してくれるのかな?… そうだ、ダイモンはどうした?」

 だがダイモンの姿はなかなか見つけることができなかった。

 流れ出た大量の血液が、煙幕のように海水をにごらせていたのだ。

「チビ介、少し浮上しよう。これでは何も見えない」

 やがて赤い雲の中から、ダイモンが姿を現した。

 背中の傷は想像以上に大きく、胸ベルトはちぎれ、装備品も外れかかっている。

 何度かダイモンは長い鳴き声をあげたが、泳ぎ始めることができなかった。

 苦しそうに顔をゆがめ、尾びれを動かそうとするが筋肉は震え、フジツボがいくつもはがれ落ちた。

「もはやダイモンは、動くことすらできないのだ」

 とジャネットは悟った。

 ダイモンの出血はまだ続いていた。

 海流に押され、たなびく赤い煙のような眺めだ。

「これで勝負は付いたな…。だがどうしようチビ介? このままダイモンをサメの餌食にするべきだろうか? 血の匂いをかぎつけて、いつ大群が姿を現しても不思議はない」

 ジャネットは考え続けた。

「とんでもない人食いクジラとはいえ、長く竜騎兵部隊に属していたのだ。それをまさか、サメどもに食い散らさせるわけにはいかないか」

 ジャネットはチビ介の背中を眺めた。

「おやおや、これはまた見慣れないハマダラカ軍の装備品が並んでいる。敵軍の情報の宝庫か。これを見て、諜報部がこおどりするのは間違いない…。だがとにかく、今はダイモンのことだ」

 腕を伸ばし、ジャネットはランスを手に取った。

「これがハマダラカの…、いやゴーストのランスか。ヒトリのものよりもほんの少し細いが、全体に多少長い…。待てよ。私は今、伝説の竜騎兵の武器を手に入れたのか? そんな話は聞いたこともない。我ながら、なんてことだ」

 ゴーストのランスは、不思議なほどジャネットの手にフィットした。

 細めに作られているおかげで、手袋をした手でもしっかりつかむことができる。

 ダイモンはチビ介の真下にいた。

 勢いをつけるには、少し距離を取らなくてはならない。

 ジャネットはチビ介を前進させ、グルリとユーターンさせた。

「さあて、狙いはどこにつけたものか。なるほど、マッコウクジラの解剖学など、なぜ訓練校でわざわざ教えるのかと思っていたが、こういう役立て方もあるわけか。なかなか意外なことだな」

 はがれ落ちたフジツボの隙間を用い、ジャネットはダイモンの心臓に狙いをつけた。

 息を整え、最後にもう一度ダイモンの姿を目に焼き付けてから、ジャネットはチビ介に突撃を命じた。

 ゴーストのランスの切れ味は驚くべきもので、刃先はダイモンの体内へするりと消えていった。

 ジャネットがランスを引き抜くと、ついにヒレの動きをすべて止め、ゆっくりと裏返しになり、深海の底へむかって、ダイモンは墜落していったのだ。

 その姿が完全に見えなくなるまで見送っていたが、やがてジャネットは顔を上げ、チビ介と目を合わせた。

 大きな瞳としばらくの間見つめあい、指示を出した。

「さあチビ介、指揮所へ帰るよ。あんたは久しぶりのご帰還だけれど、きっとみんな大歓迎してくれると思うよ」


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― 新着の感想 ―
[一言] いやいやいやいやっ楽しかったです、楽しいってあわあわする事なのかと多少疑問は残りますけど終わり?これで終とか了とかこ・こ・で・だとおおおおっからの長い長いまさかの(これは引っ張るとかお預けと…
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