4th listening
撫子
「はーい♪ それではスタートからいきなりですが、コーナーからいきましょー♪」
東真
「何か……間を長く置かれ過ぎて、突っ込む気力も出ない……」
撫子
「そりゃそうよ。だってそのためにわざわざ間を空けたんだからさ」
東真
「……え?」
撫子
「まあ作者にとっては純粋に自分探しの三連休だったわけだけど、あたしの算段としてはあんたを冷静にさせるための冷却期間としてのこの間隔だったわけよ」
東真
「うーん……どうも釈然としない……」
撫子
「その気持ちもまた無理は無いわね。言ったように、実際は作者が勝手に休んだせいで空いた期間。そこを『てめぇ、休む暇があるんだったら、さっさと書けや!』とか言われると怖いからって、つじつま合わせであたしの作戦ってことにしてるだけだもの♪」
東真
「は?」
撫子
「だから作戦という体なだけ♪ 深い事情なんて無いし、ただ作者がトロかっただけ♪ 言い訳するためにあたしがやったことにしたってだけー♪」
東真
「……おま……だとしたら、そこは絶対に言ったら駄目なところ……」
撫子
「んなこと知らないわよ。だってあたしはあたし。作者の都合をいちいち聞いてたら疲れちゃうじゃん♪」
東真
「……少し……」
撫子
「うん?」
東真
「ほんの少しだけだが……どうもその、作者とやらに同情してきた……」
撫子
「あー、構わない構わない♪ 作者だからって自分の不始末を自分の作ったキャラにどうにかしてもらおうってのが間違ってるのよ♪」
東真
「う……む、まあ、そこは話の筋は通ってるが……さすがにもう少しはこう……優しさというか……情けをかけるというか……」
撫子
「なによう、前までは意地になって『そんな奴、知るか!』とか言ってたくせに、急にあたしを悪者扱い?」
東真
「いや……あれはそういうことを言ったのではなく、ただ私は作者という存在を知らんと言っただけであって……」
撫子
「はい、それじゃあ早速、相談コーナーいってみよー♪」
東真
「人が話してる時は最後まで聞けーーーっっ!」
撫子
「えーと、なんか雑音が聞こえるけど皆さんは気にしないでねー♪ さて、そんなわけで始まりましたー♪ このコーナーではこれの作者であるナンチャラいう人が、自分の作ったキャラであるあたしたちに自分の悩み事を相談するという、傍から見たらかなり頭のイッちゃってる感じのコーナーでーす♪」
東真
「……突っ込みどころが多すぎて、どこから突っ込んでいいのか分からん……」
撫子
「まあ早くもあたしの目の前で頭抱えちゃってる人がいますけど、そんなことに関わってると時間が無くなっちゃうから手早くいきましょー♪ はい、では一通目のご相談。ペンネームは……いちいち言う必要無いから無視! 内容だけ手短に書きなさいっての!」
東真
「ちょっ……ササキ、お前なんかさっきから変に言動が悪意に満ちてるぞ……」
撫子
「何? またあたしが悪いっての? 自分だって『見も知らないやつの気分転換に付き合わされるなんて……』とか、さんざん駄々こねてたのに、あたしがやったら悪者扱いですか?」
東真
「あ、え、や……決してそういう意味では……」
撫子
「そんじゃ相談内容から、ちゃっちゃと読んでいきますよー♪」
東真
「だから……人の話は最後まで……」
撫子
「ナニナニ? えー……『拝啓 落ち葉も散りしく時節、紅様、佐々様におかれましてはいかがお過ごしで……』って、前置き長ーいっ! ちょっとADさん! こういうのは要点だけ抜き出しといてくれないと、こっちは手間がかかってしょうがないでしょっ!」
東真
「おい、ササキ……何もADさんにまで当たらんでも……」
撫子
「ダイジョブ、ダイジョブ……ちょっと頭に血が上っただけ……ゴメンねADさん、当たったりして♪ でもせめて気を遣って飲み物くらいは買ってこいよコラ♪」
東真
「あ……あれ? ササキ、ほんとにお前、大丈夫……?」
撫子
「平気よー♪ むしろ絶好調♪ さーて、そんじゃいらない前置きはすっ飛ばして、相談内容だけ読むから、東真も回答を考えてねー♪」
東真
「え、う、うむ……」
撫子
「えーと……『これまでの流れでお察しのこととは思いますが今、私は大きな不調の中にあって、思うように執筆活動が出来ず、悩んでおります……』と……」
東真
「……ふむ」
撫子
「『でもそれはそれとして、録画しておいたドラマ「SPEC」が面白すぎて、連休をその視聴ですべて潰してしまいました。映画も公開され、見に行きたい衝動に駆られて夜も眠れません。一体、私はどうすればいいのでしょうか』……」
東真
「……知る……」
撫子
「知るかーーーっっ!」
東真
「か……って、あれ……?」
撫子
「何あんた思いっきり連休をエンジョイしてんのよっ! 三日よっ! 時間に換算したら72時間よっ! 72時間もあったら普通、もっと有意義なことに時間を使えるでしょうがっ!」
東真
「え、や……ササキ……?」
撫子
「あー、イライラするわー! こういう下らない質問の相手をさせられてることだけでもそうだけど、さらにはそのふざけた質問を送りつけてくる作者の無神経さにイライラするわー!」
東真
「あー……どうでもいいがササキ、ひとまず落ち着こうか……?」
撫子
「うっさいわねっ! あたしは落ち着いてるわよ! 菩薩のように穏やかだわよっ!」
東真
「……」
撫子
「もー、作者もADも……なんかみんな色々イラつくわーっ!」
東真
「……ササキ……お前、もしかして……」
撫子
「何よっ!」
東真
「……まさか今日……(あの日)か……?」
撫子
「メンスだったら悪いのかーーーっっ!」
東真
「はっきり言うなーーーっっ! 年頃の娘がーーーっ!」
撫子
「あんたもあんたでいちいち大声張り上げてんじゃないわよっ! こっちは三日目で一番きつい時期なんだからっ! それにあたしはあんたと違って重いのよっ! ほんとなら今日だって寝たまま動きたくも無かったのに、頑張ってきてみりゃこの下らない質問! ここの連中はみんなしてあたしにケンカ売ってんのかーーーっっ!」
東真
「サ、ササキ、頼むから落ち着け! そしてお願いだから口走る内容を考えて……」
撫子
「うるっさいわっ! 月に一度、来るべきものが来たってだけなのに何が悪いのさっ! 健康な女子なら当たり前のことでしょうがっ! そうよ、ごく普通のことよ! それがなんでこんなにツライのよっ! なんであたしがこんなツライ思いしなくちゃいけないのよ! あたしがなんか悪いことしたっていうなら分かるけど、何も悪いことして無いのに、このツラさ……このツラさは一体なんだってのよっ! 理由があんだったら教えなさいよーーーっっ!」
東真
「ササキーーーっっ! 頼むからもう黙ってくれーーーっっ!」
この後しばらくして、佐々さんはADさんがスタジオ近くのドラッグストアで購入してきた鎮痛剤を飲み、30分ほどで落ち着きを取り戻しました。
皆さんもつらい時には無理をせず、きちんとお薬を飲んで安静にしましょうね。