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ショタっ子の気持ちを受け止めよ……う

 好宏君が靖宏に負けたくないと教えてくれるのだが、私にはまだ男の子の複雑な気持ちは良くわかっていない。

「僕、お兄ちゃんに負けたくないんだよ」

「う、うん……?」

「緑ちゃんがお兄ちゃんを好きだとしても僕はっ」

 私はどうして好宏君がそう考えているのかわからずにいた。


「?? うん……?」

 好宏君が男の子らしく初初しく告白してくる。でも、りりしい表情は一人の男として意識しちゃうくらいだ。

「僕は緑ちゃんを愛してるよ!!」


「……うん???? 」

 私は満足そうに返事を待っている好宏君がわからない。どうして告白してくれたのかを含めてわからないことばかりだった。


 それでも私は好宏君の言わんとしたことを理解しようと頭を回転させ続けていた。仮にロボットで表現するとしたら私の今の状態は修理中である。

(AI,KOI,SUKI。好宏君に伝えられた言葉。ライクラブ我愛ni-、ジュテーム)


 思考がまとまってきた私は、好宏君にもう一度気持ちを確認した。

「あっ、あの好宏君。それって告白だと取っていいんでしょうか!?」

「うん」

 好宏君も私と同じく、年齢差を気にしている発言をする。


「……こんな子どもの僕が何を言っているんだって思うよね。笑ってもいいんだよ」

 世の中の大半の人の考えが、年の差恋愛を好ましく思わないと好宏君も雰囲気で感じ取っているんだろう。私達くらいの差だと恋人ではなく、姉弟に見られてしまうのも多分つきあっている気分を邪魔されがちなイバラの道だとも承知している。私は好宏君に偽らざる本心だと伝えることが出来た。

「でも僕が緑ちゃんのこと本気だってこと、わかって欲しかったんだ」

「…………」


「せ……ん……」

 私がすぐに言葉を発せなかったので、好宏君が疑問を感じて首をかしげてしまっている。

「?」

「笑ったりするものですか」


 私は告白してもらった嬉しさだったり、私と同じように年齢差を気にしていたんだとか何度も「好き」という感情を伝えてもらったことに胸いっぱいの想いに嬉しくなる。

「むしろ笑えたら良かったのにと凄く困ってしまっています」

 今の笑いというのは、好宏君に『笑顔をむけてあげられたら』という感情だ。それがわかっているのか、好宏君が私の話をニッコリ笑顔で黙って聞いてくれていた。


「緑ちゃん」

 改めて好宏君が私に声をかけてきたので、何となくの予想はついていつつも返事をする。

「……何でしょう」

「付きあってもらえないかな?」


 私は好宏君にそう言われて嬉しいけど、ふんぎりがつかないのでなかなかOK出来ずに赤面してしまっていた。

「僕のお兄ちゃんの方が好きですか?」

 すぐに返事してもらえなかったということで、好宏君も不安だったのかもしれない。私はそくさま否定する。


「何でそうなるんです!」

 私は靖宏なんてどうでも良い存在だと強調する。

「カン以上ペットボトル以下の存在ですが?」

 靖宏を便利に使うことがあるってことくらいって意味だけど。

「実の兄の悪口とはいえ、とてもホッとしてるよ」

 好宏君に安心感を感じさせてあげる事が出来たようであった。



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