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プロローグ(訂正:3月16日 18時37分)

 

 書いては消す、書いては消す。一体どのぐらいこの作業を繰り返しているのだろうか。


〈愛している〉


 この一言を完璧に表す文章が思い浮かばず、途方に暮れていたところ、デスクの隅に置いているスマホに目を向けた。


〈十二月二十五日 深夜一時〉


 日付はすっかり変わっていて、電気を付けていないせいか、部屋の中は真っ暗だった。

 息抜きに立ち上がってみると、背もたれに支えられていながらも長時間立てていた腰には痺れが伝わってきたのと同時に、下半身には揺らめきを覚えた。足先に力を入れ、どうにか身体のバランスを保ちつつ、私はベランダへと出た。


 ハイライトを吸いながら、東京タワーを眺める。これが、私にとっての甘美なひとときである。ラム酒の甘みに酔いしれて、まるでこの世界の主人公になったかのような優越感を味わえる貴重な時間なのだ。

  だけど、今は違う。

 おそらく、東京タワーがいつもより派手に輝いて、はしゃいで浮かれているように見えるからだろう。 

 私だって、東京タワーみたいに、今頃恋人とキスだのセックスだの何だのして、ベッドでたっぷりと高揚感を味わっていたかった。

 でも、それは仕方ない。

 どうせ、私は人を愛すことができないのだから。

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