溜め込んだ愛
(抱擁の中で、美優の肩に顔を埋めた彩花は、堰を切ったように、これまで制服の下に閉じ込めてきた、すべての愛と感謝の感情を吐き出し始めた。)
彩花: 「大好き、大好きなの。本当に、本当に、大好きなの……! 上村美優巡査部長も、そして、私の隣にいる美優も、現場で誰よりも強い美優も、寮の部屋でそっと涙を流す弱い美優も……どっちも……全部……大好きなの!」
彩花の声は、嗚咽で途切れ途切れになりながらも、その言葉の一つ一つが、美優の心に深く突き刺さった。それは、階級や職務といった建前を完全に超越した、純粋で絶対的な愛の告白だった。
彼女は、この愛のために昇進し、この愛のために真面目を貫いてきた。その溜まっていた思いが、涙となって美優の私服を濡らしていく。
そして、美優もまた、彩花の全身全霊の告白に、これまで抑え込んできた感情を抑えられなくなった。
美優: (彩花を抱きしめる腕の力が強まり、涙を流しながら)
「彩花……っ。私もだ。私も、君を愛している。誰よりも真面目な橋本巡査長も、私にしか見せない、この優しい彩花も、私のすべてを支えているのは、君なんだ……。」
美優もまた、同じように、募る想いを、揺るぎない愛を、そして大粒の涙を、彩花にこぼしていた。
二人の涙と愛の告白は、築百年という時を刻んだ静かな離れの部屋に、新たな永遠の絆を刻み込んでいた。二人は、誰にも邪魔されないこの聖域で、ようやく「上村巡査部長と橋本巡査長」という責務を完全に脱ぎ捨て、「愛し合う美優と彩花」に戻るのであった。




