表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
葛藤の上に花は咲く  作者: 優月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/94

運命の金曜日

・・・運命の金曜日を迎えた。


寮を出る際も、二人は細心の注意を払った。

まず、彩花が「一足先に」寮を出て、数分の時間差で美優が寮を出ていった。あくまでも、別々の旅行先へ向かうという体裁だ。


二人が決めた待ち合わせ時間は、朝8時、東京駅の新幹線改札前。


7時45分。先に待ち合わせ場所に到着したのは、上村美優だった。

彼女は、私服のロングコートに身を包み、トランクケースを引いているが、その立ち姿はやはり巡査部長らしく、周囲に緊張感を与えている。


美優は、時計と周囲をちらりと確認しながら、冷静に彩花を待った。


そして、7時50分。


橋本彩花が、トランクケースを転がしながら、少し息を切らして待ち合わせ場所に到着した。途中でコンビニに寄っていたためだ。


彩花が到着するやいなや、美優は、待っていたぞとばかりに、冗談まじりで、しかし公的な口調で遅刻を問いただした。


美優: 「橋本巡査長。待ち合わせ時間、朝8時でしたね。現在7時50分ですが、危うく遅刻となるところでした。規律違反ですよ。」


彩花: (顔を上げ、美優がすでに立っているのを見て、慌てて)「あ、美優! 上村巡査部長! お、お疲れ様です! 申し訳ありません、巡査部長。飲み物を……。厳正なる巡査部長の待ち合わせは、やはり気が抜けませんね!」


彩花は、美優が私服でありながら、「巡査部長」という階級を盾に冗談を言っていることがおかしく、笑いをこらえながら答えた。


美優: 「ふん。まあ良い。グリーン車は快適な密室だ。一週間分の『報告』をしっかり聞かせてもらうぞ、巡査長。」


美優の表情は、すでに厳格な巡査部長から、愛しい恋人へと変わりつつあった。二人は、誰にも悟られぬよう、微笑み合いながら、北陸新幹線の改札へと向かっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ