多忙な一週間
来週の旅行を目標に掲げたこの一週間は、二人がいつも以上に勤務を努力しなければならない日々となった。
特別休暇とはいえ、二日間連続で休むことには変わりない。真面目な二人は、周りに迷惑をかけないように、普段以上に集中して職務をこなし、ようやく木曜日の勤務時間後を迎えた。
私服に着替えるため、美優と彩花は、たまたま更衣室で出くわした。
周囲に他の職員がいないことを確認し、二人はいつもの「公の顔」で挨拶を交わす。
美優: (冷静な巡査部長の顔で)「上村巡査部長、お疲れ様です。」
彩花: (真面目な巡査長の顔で)「お疲れ様です、橋本巡査…いや、巡査長。」
美優は、昇進後の新しい階級で彩花を呼ぶことに、まだ少し照れが残っている。
美優: 「橋本巡査長は明日休みらしいね。私も明後日休むが、君はどこかへ行くのかい?」
彩花: (少し声を弾ませるが、あくまで同僚への返答として)「そうなんです。せっかくの連休なので、ちょっと遠くに行こうかと思っています。心身ともにリフレッシュしてきます!」
美優: 「それはいいね。満喫してね。私は自宅で静かに過ごす予定だ。お疲れ様でした。」
彩花: 「お疲れ様でした。」
美優が更衣室を出ていく後ろ姿を見送りながら、彩花は心の中で微笑んだ。
(知ってるくせに、明日、同じ新幹線のグリーン車で会うくせに。)
その微笑みは、愛しい美優との秘密を、この最後の瞬間まで守り通したことへの、小さな誇りと、明日への大きな期待に満ちていた。
・・・そして、翌日。運命の金曜日を迎えた。




