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加藤警部補からの温かい公認と励ましを受けて以来、美優と彩花は、お互いに支え合いながら、今まで以上に「バレないように」仕事も恋愛も邁進していた。
月に一度程度は、警察学校での指導の後、談話室で加藤警部補との雑談を重ねることも、二人の心の支えとなっていた。
そして、週末の「夜の勉強会」は、いつも通りの時間から始まった。
美優が部屋に入り、二人はいつものように深く抱擁を交わし、一週間の疲れと公務の緊張を解きほぐした。お茶を飲み、仕事の愚痴や愛の不満を話し終え、和やかな空気が部屋を満たした時、二人は同時に、ある重大なニュースを切り出そうと、口を開いた。
美優・彩花: 「あのさ、実はね……」
二人は顔を見合わせ、小さく笑い合った。
美優: 「じゃあ、私から。
今週、巡査部長への昇進の話がまた来たんだ。今まで固辞していたんだが、今回は、強く、という形で。」
美優の表情は、喜びよりも、重責を前にした複雑な緊張を帯びていた。
彩花: 「え……! 巡査部長……。おめでとうございます、美優。でも、固辞していたのに、今回は強く、ですか……。」
彩花が驚きと不安を滲ませた、その直後。
彩花: 「実は私も、今週、巡査長に昇進するかもしれないという話が来たんです。試験を受けてみないか、と。」
今度は美優が目を見開く番だった。
美優: 「彩花が、巡査長に……! おめでとう、彩花! 君の努力が報われたんだ。だが、まさか同じ週に、お互いに昇進の話が来るなんてな。」
彩花: 「ええ。このことを、誰にも話せないまま、ずっと美優に会えるのを待っていました。美優。私たちは、階級の差が縮まるどころか、さらに上の階級へと、同時に進もうとしているんですね。」
二人の昇進は、愛を証明する喜ばしいニュースであると同時に、公的な責任がさらに重くなることを意味していた。二人は、階級が上がることで、今まで以上に忙しくなり、会える時間が減るのではないか、という新たな不安に包まれた。
美優は、改めて彩花の手を握りしめ、真剣な眼差しで語りかけた。
美優: 「彩花。私たちは、階級が一つ上がるごとに、お互いを守り合う、愛の責務も一つ上がるということだ。巡査部長と巡査長。今まで以上に忙しくなるだろう。だが、私たちのこの『勉強会』の聖域だけは、絶対に守り抜こう。」
彩花: 「はい、美優! 階級が上がっても、美優の『愛の任務』を全うする『橋本巡査』であることは変わりません。二人で、上を目指しましょう。」
二人は、昇進という新たな試練と栄光を分かち合いながら、秘密の愛の誓いを新たにした。




