秘密の共有と、最後の助言
加藤警部補の温かい言葉と「教官」という呼びかけで、美優と彩花は完全に心を許した。二人は、これまでの秘密の愛の営みを、恩師に正直に吐露し始めた。
美優: 「はい、教官。私たちは……非番の時に少しの時間だけドライブやデートを重ねています。そして、毎週末、寮の私の、いえ、橋本巡査の部屋で会っています……『勉強会』と称して。」
彩花: 「そして、一度だけですが、無理をして1泊2日の旅行にも出かけました……。ずっと、誰かに知られるのが怖くて、苦しかったです。」
二人の告白に、加藤警部補は驚くよりも早く、深く頷いた。
彼の目は、二人の「真面目さ」が故の苦悩と、その中で懸命に愛を守ろうとする「真摯さ」を理解していた。
加藤警部補: 「そうか、そうか。よく話してくれた。立派だ。その『勉強会』とやらは、お前たちの大切なガス抜きになっているんだろう。」
加藤警部補は、優しく、しかし確固たる声で二人に伝えた。
加藤警部補: 「いいか、困ったことがあったら、警察学校での剣道指導後、いつでもここに寄って、私に話しなさい。私は、お前たちが道を外さない限り、全力で味方だ。教官としても、元刑事としても、お前たちを守る。だから、一人で抱え込むな。」
その言葉は、二人の背負っていた重荷を、半分以上引き受けてくれるかのようだった。
そして、別れの時間が近づき、美優と彩花が談話室を出ようとしたその時、加藤警部補は二人の背中に向けて、最後の、そして最も重要な助言を投げかけた。
加藤警部補: 「上村、橋本。」
二人は立ち止まり、振り返った。
加藤警部補: 「バレないようにな。お前たちの愛は、まだ公には認められていない世界にある。プロとしての緊張感は忘れるな。」
その一言は、やはり警察官としての厳しい現実を突きつけるものだった。しかし、加藤警部補は続けて、温かい言葉で締めた。
加藤警部補: 「あと、自分を律することは良いけど、自分に負けるな。 辛い時こそ、お互いを責めるな。お互いに支え合え、な。」
加藤警部補は、二人の愛が真摯で、本物であることを知っている。その愛こそが、彼女たちを強くし、職務を全うさせる原動力だと信じていた。
二人に、温かく力強い微笑みを見せる加藤警部補の姿に、美優と彩花は改めて感謝の念を深くし、心の中で「誓います、教官」と約束し、談話室を後にした。




