表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
葛藤の上に花は咲く  作者: 優月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/94

恩師の慰め

加藤警部補の温かい肯定を受け、美優と彩花は、階級の壁を忘れ、安堵と感謝の涙を流していた。


加藤警部補は、そんな想像以上に泣きじゃくる娘たち――上村巡査長と橋本巡査の姿を見て、ニコニコと微笑んだ。さすが、元刑事で警官で恩師である。

彼は、立ち上がり、談話室の隅にあるティッシュペーパーを手に取り、そっと二人に差し出した。


加藤警部補: 「はい、はい。二人とも鼻をかめ。本当に辛かったんだな。よく耐えた。でも、大丈夫、大丈夫。」


加藤警部補は、父親のような優しさで、二人の肩をポンポンと軽く叩いた。


加藤警部補: 「お前たち、警察学校時代から真面目過ぎるんだよ。すべてを規律で縛りつけようとする。だが、人間には息抜きと愛が必要だ。別に、仕事場や公共の場でイチャイチャしているわけでもないし、職務に影響が出ているわけでもない。」


美優と彩花は、ティッシュで涙と鼻水を拭いながら、恩師の温かい言葉を必死で胸に刻んだ。長年、自分たちを縛りつけてきた「真面目さ」が、ここで初めて解放されたのだ。


美優: 「……教官。」


彩花: 「……教官。」


二人は思わず、警察学校時代の加藤警部補の昔の呼び方を発していた。それは、「巡査長」「巡査」という堅苦しい階級の皮を脱ぎ捨て、ただの「学生」に戻り、「人」として許しを請う本能的な叫びだった。


加藤警部補は、その呼びかけに再び優しく頷き、二人の肩を強く押した。


加藤警部補: 「よし。制服を着る時と、二人の時間とを、きちんと分けられている。それは、立派なプロだ。胸を張って、この先も励め。私は、お前たち二人の、秘密のサポーターだ。」


その言葉は、美優と彩花にとって、何よりも強力な「公認」となり、これからの厳しい日常を生き抜くための、新たな大きな支えとなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ