解放された真実
加藤警部補の「微笑ましいよ」という温かい肯定の言葉が、美優と彩花の心を深く貫いた。
3人以外誰もいない談話室は、一瞬にして、二人の「聖域」に匹敵する、安全で清らかな空間へと変わった。
「上村巡査長と橋本巡査長」・・・いや、「美優と彩花」の二人は、その場で硬直したまま、言葉を失っていた。
規律と秘密の重圧の中で、ひそかに、そして真面目に育んできた自分たちの愛が、信頼する恩師によって完全に理解され、祝福された事実に、全身の力が抜けていくようだった。
まず、美優(巡査長)の瞳から、大粒の涙が溢れ出した。
それは、あの彩花の部屋で流した涙とは違い、安堵と感謝、そして責務からの解放を意味する涙だった。美優は、張り詰めていた心が音を立てて崩れるのを感じた。
そして、彩花(巡査)は、迷うことなく立ち上がり、美優の隣に移動した。階級や場所を一切気にせず、美優の手を両手で包み込んだ。
彩花: (涙声で、しかしはっきりとした声で)
「加藤警部補……っ。ありがとうございます。私たちは……本当に……」
美優: (彩花に手を握られ、震える声で)
「ありがとうございます、教官。その言葉で、私たちは……っ、本当に……」
二人は、敬語も階級も忘れ、ただの加藤警部補の「娘」として、恩師に感情を露わにした。この瞬間、美優と彩花にとって、この談話室は、寮の部屋でも、露天風呂でもない、新たな「愛の聖地」となった。
加藤警部補は、ただ静かに微笑み、二人から目を離さなかった。
その姿は、二人がこの先、「制服を着たまま、人間らしく愛し合っていく」ことを、力強く見守り続けるという、温かい約束そのものだった。




