初めての「勉強会」
土曜の夜…。
美優は、昇進試験の参考書を手に持ち、あくまで「個人勉強会」という体裁を整えて、彩花の部屋を訪れた。
コンコン、とノックし、彩花が静かに扉を開ける。
彩花: (小声で、しかし満面の笑みで)
「美優、お疲れ様です。どうぞ、『勉強会』の準備できています。」
美優: (部屋に入り、そっと扉を閉めながら)
「ありがとう、彩花。君の顔を見たら、一週間の疲れが半分吹き飛んだよ。」
部屋に落ち着き、お互いお茶を飲みながら、この一週間の寮内の話になった。
彩花: 「あの、美優。私たち、『秘密の訪問』とか言ってますけど……どうやら、他の人たちはもっと、オープンみたいですよ。」
美優: 「えっ?」
彩花: 「昨日の夜、隣の部屋から、『〇〇課の昇進おめでとう!』って声が聞こえてきて……。グループで缶ビールを開けて、昇進試験の打ち上げをしていたみたいなんです。あと、有志で集まって、本当に夜通しで難しい条文の読み合わせをしている人たちもいるみたいで……。」
美優: (苦笑しながら)
「なるほど。つまり、『勉強会』や『部屋飲み』自体は、寮では日常茶飯事ということか。私たちは、誰にも悟られないように、わざわざこんなに厳重な『秘密の訪問』という建前を使っていたわけだ。」
彩花: (美優の肩にそっと頭を乗せて)
「はい。私たちって、真面目すぎるにもほどがありますよね。でも……
(美優の服にそっと唇を押し付け)だからこそ、誰にも邪魔されない、真の愛を守れるんだと、私は思っています。」
美優:「そうだね、彩花。
(愛おしそうに彩花を抱きしめ返し)真面目すぎる私たちで、丁度いい。だが、この寮内で大声を発することは、他の女性警察官の勤務シフトもあるため、厳禁だ。静かに、静かに、愛し合おう。今日の『勉強
会』は、私たちだけの秘密の抱擁の時間だ。」
(二人は、周りの喧騒をよそに、静かに、そして深く抱きしめ合った。誰にも聞かれない彩花の部屋は、再び二人の愛の聖域となった。)




