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葛藤の上に花は咲く  作者: 優月


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「ふたり」でランニング

・・・後日、そのランニング話から、上原美優巡査と橋本彩花巡査は、非番が重なったある日、車で少し遠くの都市公園に出かけ、二人でジョギングウェアに身を包み、走ってリフレッシュすることになった。


彩花が運転し、美優は助手席。二人はジョギングウェアに身を包み、楽しそうに話しながら幹線道路を走る。窓からは陽光が差し込んでいた。


上原美優: 「いやー、やっぱり非番の日にこうして車で遠出できるのは最高だね! 彩花の運転だから、今日は思いっきり助手席でくつろがせてもらうよ。」


橋本彩花: 「もう! 美優、そこは『運転ありがとう』でしょ? でも、美優が気持ちよさそうにしてるなら、私も嬉しいな。こうして二人で少し遠くに出かけるの、意外と久々だね」


上原美優「警察学校の、卒業式前の卒業レクの遠足以来かもね?」


橋本彩花「そうかも!訓練じゃない普通のレクだったのに、なんとなく緊張してた」


上原美優: 「あはは! 確かに。あの時の遠足、教官の目も厳しくて私も全然リラックスできなかった記憶しかない(笑)。でも、あの頃は、まさかこうして彩花とこんな関係になるなんて、夢にも思わなかったなぁ。」


橋本彩花: 「私もだよ。最初は美優と警察学校で出会ったとき、剣道が強くて、何でも完璧にこなす、ちょっと怖い人だと思ってたもん。」


上原美優: 「えー! 怖いって! 彩花こそ、いつも穏やかで優しくて、周りの訓練生からも密かに『癒しの彩花』って呼ばれてたの、知ってた?」


橋本彩花: 「きゃっ、もう! 何それ、恥ずかしい! 美優、そういうこと言わないでよ!」


上原美優: (ニヤニヤしながら)「本当のことだよ。でも、そんな彩花が、新任の交番勤務で『万引きGメン』を間違えて逮捕しそうになった時、私だけにはこっそり泣いて相談してくれたよね。あの時、一気に恋愛感が増したんだ。」


橋本彩花: 「もう、美優! あれは私の黒歴史! でも、美優に話を聞いてもらって、本当にホッとしたんだ。あの時は、同期の中でも美優だけが頼りになるって、なぜか強く感じたんだよね。美優が、真面目な顔して笑いをこらえてたの、今でも覚えてる(笑)。」


上原美優: 「そりゃ笑うよ! でも、あの事件以来、彩花が困った顔をするたびに、私が何とかしてあげたいって思うようになったんだ。それが、いつの間にかここまで深い気持ちになって……」


(上原はちらっと橋本を見て、照れくさそうに笑う。橋本も笑顔で上原の手を握る。)


橋本彩花: 「私もだよ、美優。初めて非番が重なった日、二人で近くのカフェに行ったでしょ? あの時、美優が『実は、あの制服の下は、いつも緊張でカチカチなんだよ』って、ちょっと照れたように言ったのが、すごく可愛かったんだ。」


上原美優: 「うわ、恥ずかしい! それは言わない約束!」


橋本彩花:「ふふ、ごめんね。でも、あの頃から、私たちは仕事の話はもちろん、くだらない話でも、他愛もない話でも、何でも共有できるようになったよね。あの時間が、私にとっては何よりも大切だった。警察官の仕事って、大変なことも多いけど、美優とこうして一緒にいると、全部吹き飛んじゃう。」


上原美優: 「うん。こうして二人で、何にも邪魔されずに話せるこの瞬間が、私にとって一番のストレス発散であり、癒やしだよ。さ、そろそろ公園に着くかな? ランニングの準備は万端?」


橋本彩花: 「もちろん! 美優、今日は私がペースメーカーになるから、ついてきてね!」


上原美優: 「おー! 望むところだよ! 彩花の全力、受け止めてやる!」


(二人は車を降り、ストレッチをしてから、広々とした都市公園のジョギングコースを走り出す。木々の間を抜ける風が心地よい。)


橋本彩花: 「(少し息を切らしながら)はぁ、やっぱり外で走るのは気持ちいいね! 署の周りのコースもいいけど、やっぱりこういう場所は空気が違う!」


上原美優: 「(余裕の表情で)うん! 緑もたくさんあって、心まで洗われるみたいだ。よし、彩花、もう少しペース上げてみようか? 剣道の稽古で鍛えた体力、見せてもらおうじゃない!」


橋本彩花: 「もう! 美優、容赦ないなぁ! でも、負けないよ!そういえば、この前、公園の巡回をしてた警察官が、道端で寝てた酔っ払いのおじいさんを介抱してるのを見かけたんだけど、すごく優しく接しててね。私も、あんな風に、誰にでも平等に、温かく接することができる警察官になりたいって思ったんだ。」


上原美優: 「うん、彩花ならきっとなれるよ。彩花のその優しい心は、誰よりも市民に寄り添える才能だから。私なんて、ついつい規則とか、論理で考えてしまう癖があって……もっと彩花みたいに、心で感じて動けるようになりたいな。」


橋本彩花: 「美優は美優の良さがあるから大丈夫。そういえば、この間の非番、美優は先生の道場に行ったって言ってたけど、どうだった?」


上原美優: 「ああ、それがね!久しぶりに先生に稽古をつけてもらったら、まだ全然現役で、私の面も胴も、先生には全く届かなくてさ。改めて、剣道の奥深さと、自分の未熟さを痛感したよ。でも、それがまた、警察官の職務にも通じる部分があるんだなって思った。常に学び続けて、精進していかないと、足元をすくわれるぞって。」


橋本彩花: 「美優らしいね! でも、そういう向上心があるからこそ、美優は人間味あふれる警察官になれたんだと思うよ。私も、美優を見習って、もっと色々なことを吸収していかないと。」


上原美優: 「彩花も十分頑張ってるよ。ほら、見て! あの向こうのベンチ、すごく景色がいいよ。あそこで少し休憩しない? 大福、持ってきたんだ。」


橋本彩花: 「え! 大福!? 美優、最高! じゃあ、あそこまでもうひと踏ん張りだね! よーし、美優、競争だよ!」


(二人は笑顔で、大福が待つベンチに向かって、再び軽快な足取りで走り出す。公園の景色と二人の笑顔が、非番の穏やかな時間を彩っている。)

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