深い衝動、深い感動
童心に戻ったような衝動で、二人は強く、深く抱きしめ合った。
硬い制服と装備の上からでも、相手の体温と、この一週間で張り詰めていた緊張が一気に解けるのを感じた。
美優: (彩花の肩に顔を埋め、安堵のため息をつく)
「彩花……っ。長かった。本当に、この制服の硬さが、心の壁みたいで辛かったよ。」
彩花: (美優の背中を強く抱き締め返し、声が少し震える)
「美優……! 私もです。毎日メールはしてましたけど、面と向かって美優に会うのは、こんなに、こんなにも代えがたいことだったなんて……。」
(抱きしめ合ったまま、二人は少し身体を離し、お互いの顔を見つめる。その瞳は、言葉で伝えるには大きすぎる愛で満ちていた。)
美優: 「君の文字だけでは、あの露天風呂の温もりが、途中で途切れてしまうようだった。この一週間、私は何度も、あの旅館での君の柔らかな身体を思い浮かべて、何とか耐え抜いたんだ。」
彩花: 「メールじゃ、『本当は今すぐ抱きしめたい』とか、『今日一日の美優の頑張りを、この手で撫でてあげたい』って言葉、打てないじゃないですか。この部屋に入るまで、公的な会話しかできないのが、本当に苦しかったです。」
美優: 「分かっている。私たちは、言葉の真面目さのせいで、『愛の言葉』さえも、公私で区別してしまうからな。彩花、この一週間で溜め込んだ、君への思いのすべてを、今、この場所で、私に聞かせてほしい。」
彩花: 「美優……っ、愛しています! あの旅で、美優が私の隣にいるのが『最も真実の私』だと知りました。もう、離れたくない……!」
二人は再び深く抱きしめ合い、署内の奥まった部屋で、堰を切ったように、溢れ出る愛の言葉と、一週間分の業務の苦悩、そして次の非番への期待を、惜しみなく交換し続けた。
(抱き合い、積もった思いを言葉で交わし合った美優と彩花は、少し落ち着きを取り戻し、次の計画を立てるために身体を離した。)
美優: 「ありがとう、彩花。こうして君と face to face で話すことで、この一週間で削られた心が、また満たされたよ。やはり、真面目にお互いの任務を理解しようとするが故に、署内はもとより、ショートメールでさえ、私たちは本音をなかなか交わせないからな。」
彩花: 「ええ。『美優に余計な心配をかけたくない』と思うと、メールではどうしても『大丈夫』で終わっちゃうんです。でも、こうして対面で話すのは、何にも代えがたい。あの旅行と同じくらい、たまらない時間です。」




