隣に眠る、私の美優
……気がつくと、外は静かに夜明けを迎えていた。障子の和紙を通して、淡く柔らかな光が部屋に差し込んでいる。
彩花は、その光の中で、先に目を覚ました。
身体は、深い満足感に包まれ、心地よい重みを感じている。視線を動かすと、布団の中で、美優としっかりと手を繋いだまま横たわっていることに気づいた。
そして、その繋いだ手以外にも、昨夜の情熱を物語る光景がそこにあった。
着ていたはずの二人の浴衣は、布団の外へと追いやられ、二人とも裸体のままだった。
隣に眠る美優の身体は、柔らかな布団とシーツに包まれ、静かに上下している。普段、硬い制服と剣道着に身を包み、常に凛とした表情で巡査長としての責務を全うしている美優が、今は何の飾りもない、ありのままの姿で、安らかに眠っている。
彩花は、繋いだ手を離さないまま、じっと美優の寝顔を見つめた。
この目の前でスヤスヤと寝息を立てている人が、署内で厳しい判断を下す上官であり、真面目すぎて時には自分にだけ愚痴や弱音を吐いてくれる、大好きな私の恋人なのだ。
昨夜、露天風呂で流した安堵の涙、コンパートメントでの情熱的なキス、布団の中で交わし合った愛の言葉、そして、お互いの愛おしい身体を慈しみ合ったすべての瞬間が、彩花の頭の中で怒涛のように反芻された。
(美優の鍛えられた肩に顔を寄せた感触……。)
(『愛しているよ、彩花』と耳元で囁かれた熱い息遣い……。)
(階級も制約も忘れ、ただの女性として抱きしめ合った、あの解放感……。)
この旅で美優と共有したすべての「非番の真実」が、「私たちの愛は本物だ」という確固たる自信を、彩花の心に満たしていく。
彩花は、再び美優の寝顔にそっとキスをした。
彩花: (心の中で)『私の巡査長。私の美優。今日も一日、私だけのものでいてくれて、ありがとう。』
美優が目を覚ますまでの間、彩花は手を繋いだまま、昨夜の愛おしいすべてを、じっくりと味わい尽くすのだった。




